きゅ~じつ。

 いつものバス停にて――


「……なん……だと……」

 イブキがまるで死神代行をしている少年のような声を洩らす。


「お、おそるべしっ! 2017ねんっ!! もうゼツボ~しかないよ、はぁ~あ……」

 そんな事を言いながら、力なくバス停によりかかるイブキ。


「なになに? そんな衝撃的な事が起こるの? 来年」

 イブキの様子を見ていた月夜が尋ねてくる。


「う~……ライネン……ライネンはね~……」

 フラリと身体を揺らしながら起き上がり、譫言のような口調で、


「なに? そんなに大変な事なのっ!?」


「ライネンね……シュクジツが4にちもドヨ~ビとかぶっちゃうんだよ……」


「へぇ~……」


「そんだけっ!? だってだって――ライネンはコトシよりも4っかもやすみがすくなくなんだよっ!」

 イブキが4本指を立てながら、


「誤差程度じゃない。そんな事いちいち気にしてんの?」


「うぅ……よっかもあればVRやりほ~だい……」


「四日連続してあるワケじゃないでしょ? そんなに気になんないわよ」


「そっかな~?」


「そうそう」


「でも、イブキさんなんかソンしたキブンだよ」

 腑に落ちない表情でそう言うイブキだった。

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