ですわ。

いつものバス停にて――


「ふくふみゅ〜……E4のギミックがハンメ〜! いいね! イブキさんかえってからチョ〜ドいくトコなんだっ‼︎」

イブキがゲ〜ム情報を見ながら、そんな事を言う。


「タイショ〜はDHCIの4つかぁ〜……おっ! こんかいからセリフがかわるうえに、ボコ〜にもどったときもコ〜カオンもするんだっ⁉︎ これはわかりやすいなぁ〜ヤルじゃん! ウンエ〜」

そんな事を言っているイブキの隣では、


「なになに『~ですわ』とか『ごきげんよう』とかゆ〜しゃべり方の人との遭遇率?」

 月夜が『奈良で大量の同人本がバラまかれる事案発生』の記事を読もうとスマホ画面をタッチすると、その下にあった『お嬢様の遭遇率』という記事を開いてしまう。


「そんな人、現実にはいないでしょ~。えぇぇ!! 1割もいるのっ!?」

 意外に高いその遭遇率に驚いている月夜の肩が叩かれる。


「月夜さんごきげんよう」

 イブキが口元に手を当て、そんな事を言う。


「無理がある」

 月夜は糸のような細目になると、そう洩らす。


「え~! そっかな~?」


「そもそも野球部の強打した硬球を「さんだ~ぼると・すくりゅ~!」って叫びながら蹴り返す人は育ち良くないでしょ」


「じゃ、月夜やってみてよ」


「えっ!? ウ、ウチ?」


「うん」


「う~……オホン……イブキさんごきげんよう」

 月夜は精一杯の笑みを浮かべ、


「うわ! キモっ!!」

 その直後にバス停がイブキを横殴りしたのはいうまでもない。

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