ひみつ。

 いつものバス停にて――


「ぬう……バイハザ7のタイケンバンよかったなぁ〜……これホントにVRでやったら……すっごいコトになるよっ!」

イブキがゲ〜ム情報を見ながら、そう興奮していた。


「あれってセ〜ゾンル〜トないのかなぁ〜 ? バイハザは2のときもまったくちがうタイケンバンだしてたから、あれがマンマセ〜ヒンバンになるとはおもってないけど……」

そんな事を呟くイブキの隣では、


「はむはむ――さくさく――」

月夜が梅雨時のじっとりした外気も気にせず、唐辛子のツ〜ンとした匂いのフライドチキンを食べている。


「よく、そんなんたべれるね」


「あら? 辛くておいし〜わよ」

そういって綺麗な歯型のついた油ギトギトのチキンを見せる。


「う〜ん……なんでそんなにたべてるのにふとんないのかなぁ〜」

イブキは月夜の身体を眺めながら、


「おっ! タイムリ〜」

イブキがオシャレ系ニュ〜スの中でなにかを発見する。


「ほっそりオオグイじょしのヒミツだってさ〜ほらほら月夜のヒミツあばいちゃうぞ〜」


「いや、ウチそんなになにかしてるってワケでも〜」

そういう月夜に構わず先を続ける。


「ランチをしっかりたべる! う〜ん……ランチといわず、よるもあさもガッチリたべてるよ〜な〜?」


「おおまたでサッソ〜とあるく? これはやってるきがする。月夜あるくのすっごくはやいモン」


「アンタの足が短いだ――「ええっと……つぎは――」


「サンカイまでならカイダンをつかう? 月夜60かいでもカイダンで『ダ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!』ってのぼっていったきがする……」


「そっちのが早いもん」


「う〜ん……あとはケンコ〜なチョ〜ないとスイミンをジュ〜ブンにとるかぁ……」


「ウチのヒミツわっかったの?」


「イブキさんがおもうに――」

イブキは自分の推察を口にする。


「月夜のバケモノみたいなフィジカルをイジするのは、いっぱいたべものがヒツヨ〜なんじゃないかって……」


「そんなワケないでしょ」


「だってゴ◯ウやル◯ィもいっぱいたべてるし」


「ウチを漫画のヒ〜ロ〜並みの体力と一緒にしないでよっ!」

そう言いながらも、少し嬉しい月夜だった。

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