あるばいと。

 いつものバス停にて――


「カップ麺のおいし〜アレンジが密かなブ〜ム? へぇ〜そんなん流行ってたんだ〜。でもウチを唸らせるような品があるかな〜?」

そんな事を言いながら、スマホ画面を下へとスクロ〜ルさせていく。


「ふむふむ……ペヤングを使ったアレンジ……ふふ〜ん、ウチの大好物を魔改造したぐらいで唸ると思うなよ」

ニヤリと笑みを浮かべ洩らす。


「ええっと……湯切りをしたペヤングに温泉卵と小口切りにしたあさつきをのせラ〜油をかけると、台湾まぜそばっぽくなる? うぅ……こ、これはなかなかイイじゃない」

今度やってみよっと呟く月夜の隣では、


「う〜みゅ……ジキュ〜2200エンかぁ〜……」

スマホ画面を見ながらポツリとそんな事を洩らすイブキに声が耳に届く。


「あやし〜アルバイトじゃないの? それ」

と、横から口を挟んでくる月夜。


「なんかジド〜ウンテンシャのドライバ〜なんだって」


「自動運転なのに運転手がいるの?」


「そ〜みたい」


「テレビのCMみたいにドヤ顔で乗ってればいいのかな?」


「それだけなのかなぁ〜?」


「あっ! わかった‼︎ きっと衝撃テストとかもするんだよっ! で、ど〜なっても責任とらないかわりに高時給」


「……そこまでたかくないとおもうよ」

イブキは車に乗ったまま、壁に激突してバラバラになる姿を想像しながら、そう呟くのだった。

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