だまされる月夜。

 いつものバス停にて――


「ふむふみ……アサリのすなだしは、50ドにおゆに15ふんつけるだけでできるっ⁉︎ ふぇ〜……そ〜だったんだっ! いままでボ〜ルにシオミズはってジャンプでフタして、ひとばんおいておいたのに……」

イブキがいい事聞いたみたいな表情をしながら、雑学系ニュ〜スを読んでいる隣では、


「へぇ〜……そうだったんだ」

と、月夜もスマホで何かを読みながら、感心した様な声を洩らす。


「……ハ〜ドディスクが壊れた時って冷凍庫で冷やすとデ〜タもとに戻るんだ……不思議〜」


「……月夜?」

呟きを聞き留めたイブキが視線を向ける。


「エアコンの室外機に水をかけて冷やせば電気代の節約に? へぇ〜知らなかった‼︎」


「そんなコトしたらコワれちゃう」


「乾電池をこすると静電気で充電されて復活するんだっ!?」


「……しないから」


「おぉ! スマホを電子レンジで温めたら充電できるんだっ‼︎」


「月夜!」

耐えかねたイブキは声を張り上げ――


「そんなコトしたら、バッテリ〜だいばくはつするよっ‼︎」


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! そ、そうなの⁉︎」


「さっきからいってるやつも、ぜ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んぶウソだからやったらダメだよっ!」

本気で信じていた月夜にそう言い聞かせるイブキだった。

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