きのことたけのこ。

 いつものバス停にて――


「アンドロイドばんのカンコレはゼンデ〜タひきつぎかぁ〜……いいなぁ〜……ジュギョ〜ちゅ〜にこっそりエンセ〜とかだせばシゲンかでげるし……」

イブキが学生にあるまじき事を呟きながら、先を読み進める。


「プレステのVRもあきぐらいにはんばいヨテ〜なんだ! いくらぐらいになるんだろ〜? もう、いろいろガクセ〜のフトコロぐあいをコウリョして5000エンとかしてくんないかなぁ〜……おと〜さんのセ〜シュンじだいみたいに、イダイなゲ〜ムメ〜カ〜だったセガがハ〜ドげんかわれでウルみたいなぁ〜……」

惜しい人を亡くしたといった雰囲気でそんな事を言うイブキ。


「ねぇ」

月夜がスマホをイジりながら、


「見てよ。スシロ~が『たけのこの里のイチゴまっちゃパフェ』販売だって。アンタこの前の『きのこの山モンブランパフェ』好きだったでしょ? これもいいじゃない」

 さして興味なさそうにイブキにそう言うと、たけのこの里がのっかたイチゴパフェの画像を見せる。


「ふっふっふっふっふっふ――わかってないな~」

 イブキは一指し指を立て左右に振りながら、


「うわっ! なんか、そのリアクション腹立つっ!!」


「キノコにとってタケノコはてきでしかないんだよっ! サ~ビスかいしハントシできえた――キノコこれくしょんもてきはタケノコだったんだよ!!」


「じゃ、食べないの?」


「もちろんたべるよっ!」

 むふ~と鼻息荒く言い切るイブキ。


「敵じゃないの?」


「イブキさんはね~キノコのミカタだけど……イチゴのミカタでもあるんだよ!」


「はぁ? そ~ですか……」

 呆れ顔でそう納得したフリで流す月夜だった。

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