あるばいと。

 いつものバス停にて――


「こんな物、自販機で売ってるんだっ!?」

 月夜がボトルキャップ式の缶にはいった『みそ汁』の画像が映ったスマホ画面を見ながら驚きの声を上げる。


「みそ汁自販機で買えたら、時々は飲みたい――かも? でも、ゴハン食べたくなっちゃうかな~……う~ん……」

 月夜は一指し指を唇に当てながら真剣に悩む仕草をしている横で――


「ふ~む……パソコンのVRディスプレイやくジュ~マンエンかぁ~……おかねほし~なぁ~」


「ん〜……それなら、いいアルバイトあるよ」


「え〜! はたらくのぉ〜……イブキさんキツいのやつかれるのイヤ〜」

と、全力でダメ人間宣言をするイブキに、


「大丈夫よ。なにもしなくていいから」


「ん〜……エッチなやつもダメ!」


「そんなの紹介しないわよっ! JAXAの閉鎖空間でただ過ごすだけのアルバイト。報酬は38万円、期間は13泊14日」


「ホントになんにもしなくていいの?」


「うん。本当にただダラダラしてればいいダケっ! アンタそ〜いうの得意でしょ?」


「とくいかな〜? ちょっとみせて」

月夜のスマホを取り詳細情報を確認する。


「んぁ⁉︎ ダメだっ‼︎ ネットきんしだって‼︎」


「2週間ぐらい我慢すれば?」


「ダメだよっ! イブキさんにとってネットはク〜キといっしょなんだからっ‼︎ きりはなされたらイチジカンもたいないよっ‼︎」


「……アンタ、大地震とかきたらど〜すんの?」

呆れ顔でそう言う月夜だった。

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