はんた〜

 いつものバス停にて――


「めり〜クリスマス!」

現れるなりいきなりそう言い放つイブキに、


「まあ、きょ〜もガッコだけどね」


「それは自業自得だし、それよりウチの七面鳥用意してるんでしょ〜ね?」

月夜が朝からロ〜レルレッグにかぶりつきながらイブキに問う。


「シチメンチョウ〜?」

イブキが『?』マ〜クを浮かべて小首を傾げる。


「ちょ――今年はイブキが七面鳥用意するって言ってよっ!」

心底、慌てながら月夜が問い詰めてくる。


「うそうそ〜。ちゃんとおぼえてるよぉ~」

 そういって『にぱっ』っと笑って見せる。


「あ~……よかった」

 そういって立派なムネを撫で下ろす月夜。


「今から鳥仕留める算段しちゃったじゃない」

 そう言いながら空に向かって鉄砲でも持ってるかのような仕草をする月夜。


「そ、そこまでするの……?」

 呆れと驚きが半々に混じった表情をみせるイブキ。


「いま狩ガ~ルっていって流行ってんだからっ! ウチも狩猟免許とろっかな~」

 イブキは月夜が四つん這いになって山の中を歩き回り鹿に襲い掛かるシ~ンをイメ~ジした。


「ウチは野獣かっ!?」


「なんでイブキさんのかんがえてるコトがわかんのさっ!?」

 イブキがそう言って狼狽するのだった。

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