しか。

 いつものバス停にて――


「兵庫県の淡路島で農作物を荒らす鹿を捕獲して食肉用のハンバ~ガ~へかぁ~……鹿ってどんな味すんだろ? 奈良に旅行にいったときに見たコトあるケド、味までは想像しなかったなぁ~」

 と、数年前に旅行で訪れた奈良で放し飼いになっている鹿を思い浮かべる。


「みたコトあるって……月夜によってこなかったじゃん」


「あれ? そだっけ?」


「うん……月夜が手をあげるたびにケッコ~とおくにいるシカが『ヒョコ』ってクビをふっておじぎみたいなシグサしてたし……」


「そっかな~? 偶然でしょ」

 と、言いつつイブキから視線を反らす月夜。


「しかもさ、しかもさ――『ウチにシカよってこないから、かわりにシカセンベ~あげてきて』ってイブキさんにいっぱいのセンベ~もってたらシカのタイグンにおそわれてヒドイめにあったモンっ!!」


「あ~……あったわね、そんな事も……」

 月夜が遠い目をしながら呟く。


「シカにジャイアントスイングしたり、キン〇クドライバ~すんのケッコ~たいへんなんだよ……やったけど」

 結局、鹿が散々な目にあっただけの話しだった。

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