もしも……

 いつものバス停にて――


「ペヤングのにんにくマックスやきそば――じゅるり」

もはやタイトルだけで月夜を虜にしたその記事。


「うへ! オンナのコがたべるもんじゃないよソレ」

イブキが飲んでいた野菜ジュ〜スのストロ〜から口を離して言う。


「いいじゃない」


「でも、におちゃうよ〜」

鼻をつまみながら表現するイブキ。


「どこにも出かける予定がない日に食べるからへ〜きよ、へ〜き」

と、気楽に答える月夜。


「でもさ〜もし、たべちゃったあとにオトコのヒトからよびだされちゃったらど〜すんのさ?」


「う〜ん……マスクしてオ〜ドトワレで誤魔化すとかなぁ〜」


「ふ〜ん……月夜ってよびだされたらホイホイついていっちゃうんだぁ〜」

少し意外そうに洩らすイブキ。


「アンタが変なふうに振ってきたから、あんまり深く考えなかっただけよっ!」


「そ〜いうアンタは行かないの?」


「ん〜……そとさむいからLINEでしてってゆ〜かな」


「なんか……そのまま相手が冷める展開になりそ〜ねソレ」

月夜が呆れ顔のまま呟くのだった。

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