ツンデレ。

 いつものバス停にて――?


 ひゅ~――――――――――――――――


 いつもの場所、いつもの光景――でもどこか違う。


「……ん~? ここは……?」

 イブキが目をこすりながら、周囲を見渡す。すぐに人気がなく、違和感の正体にすぐ気がついた!


「ん~……これは――」

 イブキが気付いた瞬間――


 ペタペタペタ。


 アスファルトを裸足で歩く音が聞こえてきた。


「きたきた」

 イブキは待てましたとばかりに振り向く。


「――で、こんかいはなに? エ~セ~がショ~トツコ~スにはいってやつ? それともまたインセキ? まさかゾンビ? ついにゾンビかいきちゃう!? イブキさんゾンビにはつよいよっ!!」

 そう言いながら、どこからともかくピンク色でキ〇ィ~がデコレ~トされたアサルトライフルを取り出すイブキ。


「……今回は――」

 巫女装束のような弓胴衣のような服を纏った月夜が口を開く。


「今回は――」

 一度、唇を湿らせるために軽く舌先で上唇を触り、もう一度同じ言葉を繰り返す。


「特になにもないわ」


「えっ!?」

 思わずポロリとアサルトライフルを落とすイブキに、


「もうね――いっぱい、いっぱいなの」


「ふぇ?」


「今年何度目なのよっ! 隕石が接近したり、衛生が落っこちてきたり、氷の中から細菌が発見されたり、挙句に11月11日はなんか不吉だから人類滅ぶ? はっ! ジョ〜ダンじゃないわよっ‼︎」


「な、なんかあれてるっ⁉︎」


「ど〜せ何も起きないわよ」


「へ〜ワでいいじゃん」


「あぁ〜あ〜この調子だとあと何回、滅亡やればいいのよ……2015年終了まであと一月と半月」


「あとワンチャンありそ〜だね」


「でしょ〜。あんたらそんなに滅びたいのかっ! って感じよ。だいたい――」



ちゅんちゅんちゅん――ばさばさばさ――


「……こんなグダグダなユメはじめてみた」

寒くなり始めた明け方、そう洩らして布団の中に潜り二度寝を決め込むイブキだった。

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