ぽてちはんた~

 いつものバス停にて――


「こ、これおいしそ~……」

 月夜がグルメ系ニュ~スを読みながら、横にあったポテトチップスの袋から一枚ポテチを取り『ハム』と言いながら口に入れる。


「この絶品チ~ズバ~ガ~を超えた新しいチ~ズバ~ガ~――ハム――本当においしそ~――ハム――6種類のチ~ズソ~ス使ってんだぁ~……じゅるり――ハム」

 袋から次々取り出すと、まるで当たり前のように口に運ぶ月夜。


「ちょっと! 月夜さっきからイブキさんのポテチたべてるんだけどっ!?」

 イブキが手にもったポテトチップの袋を月夜から遠ざけながら抗議する。



「う~ん……いいトコにあったから? さもご自由にお食べくださいといわんばかりにあったからつい手がね」

 と、イタズラっぽい笑みのまま親指に付いた塩えおペロっと舐めとる。


「あ~! 月夜このまえハシでたべるからしないっていってたのにぃ!!」


「ケ~スバイケ~スだも~ん」

 イブキが詰め寄ったスキに袋からまた一枚掠めとる月夜!


「もうっ! とんないでよっ!!」

 自分のうしろに袋を隠すイブキ。


「甘い!」

 いつの間にか背後に回り込んだ月夜がサッサッと袋の中から数枚を掠めとる!!


「うぅ……イブキさんのポテチがぁ……」

 逆さに振ってもカスしかでてこなくなった袋を涙目を持ちながら、


「んふふふふふふ――まだまだ修行が足らないなぁ」

 それを勝ち誇った表情で見ている月夜だった。

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