くれ~ま~

 いつものバス停にて――


「愛知県で苦情のため音のない無音盆踊り開催!? はぁ~……お祭りにまでクレ~ムを入れる時代って……ちょっと悲しいな」


「おとがないのにおどれんの?」

 イブキが疑問を口にする。


「う~んっと……踊る人は専用のイヤホンをしてブルトゥ~ス送信で踊り手に音を提供してるみたい」


「へェ~。なんかムダにハイテクだね~」


「それより1年に1回ぐらい我慢できないものなのかな? 一応、ご先祖様が帰ってくる日なんだから……」


「でも。ちかくのヒトはまいとしのコトで、かんたんにひっこしもできないジョウキョ~ならクレ~ムもいれたくなんじゃない? イブキさんもねずにゲンテ~カイイキやってカミンチュ~におこされるとイラっとくるモン」


「う~ん……そっか~」


「ど~せハイテクにするなら、ぼんおどりもヴァ~チャルでやっちゃえばいいのにネ」


「そこまでいくとありがたみもなにもないわね……」

 月夜が呆れ顔で呟いた。

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