ぞくでぃ~えむえむ。

 いつものバス停にて――


「ウナギを挟んだウナギコッペパン? う~ん……これは……ちょっと……」

 月夜がいつも通りグルメ系ニュ~スを見ながら珍しく厳しい表情をする。


「あ~……でも、パンの中にゴハン詰まってるのかぁ~……1個2000円ならフツ~にウナ丼食べたいかも……あ~でもパンの上にのってる、この長焼おいしそ~――じゅるり」

 と、結局ヨダレが止められない月夜。


「おっ!」


「イブキ、イブキ~。アンタがおちた引きこもりバイトの体験談でてるよ~」

 月夜が以前、話題にした引きこもり生活者募集の続報記事を見つけた。


「お~! あのDMMつかいほ~だいでなにもしなくていいやつだよね?」


「そそ。それそれ」


「いいな~。ゲ~ムしまくったんだろねなぁ~」


「言うほど良くなかったみたいだよ。一言目で『地獄でした』って言ってるぐらいだもん」



「え~!! そ~なの?」


「三日目に急にキツなったんだって」


「へェ~……なんでだろ?」


「一番キツかった事は外にでれなくて誰とも話せないのがツラかったんだって」


「え~! ゲ~ムあればなんにもいらないじゃん!!」


「2番目は太陽の光を浴びれなかった事だって。生活してた部屋は全く光がはいってこないトコだったんだってさ」


「いいよ、いいよ。タイヨ~なんていらない!」


「地球に住む生物とは思えない発言だわ。3位はゴハンが重かったみたいだけどイブキは食べ物はエネルギ~補給できればイイって性格だからこれはど~でもいいっか。ウチだったら耐えられないケド……」


「そだね。たべてるじかんもったいないし」


「映画や動画、ゲ~ムに課金した金額は36万3857円だってさ」


「お~。イブキさんならひゃくまんえんぐらいイケるジシンあるなぁ~」


「――で、一週間ひきこもり生活をして『いつまでもこんなことしてちゃダメだ』って思ったんだって、いまは『ただただ働きたい』って言ってるみたい」


「ダメだな~。イブキさんならかじりついてでもへやからでない! いつまでもこんなセ~カツしてやるっ! ただただはたらきたくない!!! ってゆ~のに」


「アンタが言うとホントに言いそうな気がする……」

 イブキが募集に落選したのが幸か不幸か判断に困る月夜だった。

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