なかみ。

 いつものバス停にて――


「えっと……サイフは2つに分けて、なるたけキッカリ出せるように小銭と1000円札をいっぱい持って……スマホに大容量充電器を2つ……と、配置図に会場図、チャ~ジ済みの交通用マネ~カ~ドもある」

 月夜が自分のカバンの中をガサゴソとかき回しながら、ブツブツと呟いている。


「オトコのヒトはオンナのコのカバンのナカミをきにしているっ!? これがはいってればミリョクが30パ~セントますコトまちがいなしっ!?」

 いつも通りイブキが如何わしさ全開のそんな記事を読みながら、


「ねぇ~ねぇ~月夜」


「ん~? なに? いまちょっと忙しんだケド……」


「月夜のカバンのなかみせて~」


「え~!――って、ちょっと!!」

 嫌がる月夜を無視してイブキはさっと月夜のカバンをかっさらうと、


「ん~……あんまりおもしろいモノはいってないなぁ~すっごいカゲキなショ~ブシタギとかでてくるとおもしろいんだけど」


「はいってないわよ! そんなのっ!!」


「んんぅ! なにこれ?」

 イブキが無骨な機械の塊を取り出す。


「なにって無線機」


「なんでそんなモンもってんの?」


「ケ~タイとかスマホがつながりにくいトコに友達といくから」


「ふ~ん……なんでサイフが2つもはいってんの?」


「人の多いトコいくから、落としたり、盗まれたした時に全財産なくさないように保険として2つに分けてんの」


「おシオ?」


「熱中症対策の時に水と一緒に少量舐めるといいんだよ」


「ん~ヘンなモンばっかし!」


「ウチだって年中入れてるワケじゃないわよっ!」

 と、コミケ――戦場――お盆前の月夜のカバンの中身でした。

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