しっぱい。

 いつものバス停にて――


「ゔ〜……」

そんな呻き声とともに自身の胸をペタペタするイブキ。

夏服の薄い布越しのため、より一層感じるペッタン感に悲哀に満ちた表情になるイブキ。


「なに? 一体ど〜したのイブキ」

梅雨に逆戻りしたような『ドヨ〜ン』とした雰囲気を纏わせたイブキに声をかける月夜。


「き、きのうさ――ツ〜ハンでかったミズギがとどいてさっそくきてみたんだケド……」

そこで『ワ〜』っとイブキの大き瞳と同じ幅の涙を滝のように流し。


「いや……毎年やってるよね?」


「うん……まいとしかわってないの」


「……そ〜いう意味でいったんじゃなくて、学習しないって意味でいったんだケド……」


「ど〜したら月夜みたいおっきくなれんのっ⁉︎」


「そ〜いわれてもウチはとくになにもしてないし……」


「え〜! ウソだよ! ミズギかうたびにカガミのまえで「ウッフ〜ン」とかやってんじゃないの?」


「やってないやってない。だいたいウチ2、3年の割合でしか新しいの買ってないし、しかもだいたいワンピだから……」


「ちぇ――なんかミズギでシッパイしたコトとかないの?」


「う〜ん……そ〜ねぇ――」

月夜はしばらく考えた後、


「中学のときに水泳の授業で胸がくるしくなって気絶しちゃった事あるんだけど――」


「ふむふむ」


「保健室で目がさめたらさぁ〜バストサイズと合ってないから水着を変えないっていわれちゃって恥ずかしいかったなぁ〜」


「……なにそれ? ジマンなのっ⁉︎」

月夜の失敗談にそう憤慨するイブキだった。

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