しっぱい。
いつものバス停にて――
「ゔ〜……」
そんな呻き声とともに自身の胸をペタペタするイブキ。
夏服の薄い布越しのため、より一層感じるペッタン感に悲哀に満ちた表情になるイブキ。
「なに? 一体ど〜したのイブキ」
梅雨に逆戻りしたような『ドヨ〜ン』とした雰囲気を纏わせたイブキに声をかける月夜。
「き、きのうさ――ツ〜ハンでかったミズギがとどいてさっそくきてみたんだケド……」
そこで『ワ〜』っとイブキの大き瞳と同じ幅の涙を滝のように流し。
「いや……毎年やってるよね?」
「うん……まいとしかわってないの」
「……そ〜いう意味でいったんじゃなくて、学習しないって意味でいったんだケド……」
「ど〜したら月夜みたいおっきくなれんのっ⁉︎」
「そ〜いわれてもウチはとくになにもしてないし……」
「え〜! ウソだよ! ミズギかうたびにカガミのまえで「ウッフ〜ン」とかやってんじゃないの?」
「やってないやってない。だいたいウチ2、3年の割合でしか新しいの買ってないし、しかもだいたいワンピだから……」
「ちぇ――なんかミズギでシッパイしたコトとかないの?」
「う〜ん……そ〜ねぇ――」
月夜はしばらく考えた後、
「中学のときに水泳の授業で胸がくるしくなって気絶しちゃった事あるんだけど――」
「ふむふむ」
「保健室で目がさめたらさぁ〜バストサイズと合ってないから水着を変えないっていわれちゃって恥ずかしいかったなぁ〜」
「……なにそれ? ジマンなのっ⁉︎」
月夜の失敗談にそう憤慨するイブキだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます