さばいばる。

 いつものバス停にて――


「う~ん……こ~天気がいいとどっか出掛けたくなるわねぇ」

 月夜が台風の過ぎ、雲ひとつない快晴の空を見上げながら呟く。手に持ったスマホ画面には『ポテトうどんパン』なる妙な食べ物の記事が映し出されていたが……?


「お~! うみいっちゃう? うんめ~のヒトさがしにいっちゃう? ひとなつのこいさがしちゃう?」

 イブキがワクワクドキドキといった表情のまま。


「う~ん……どちらかというと山って気分かな~?」


「お~! じゃ、サイレントヒルいこ~」


「さいれんとひる?」


「シズオカだよ。シズオカ」


「静岡県なら、そ~いいなよ! 滅びてクリ~チャ~だらけになった某街を一緒にしたら失礼でしょうが!!」


「そんなコトよりもシズオカでおもしろいイベントがあんだよっ!!」


「オバケン・ゾンビ・キャンプ? 参加者が数人のグル~プに分かれてゾンビの襲いくる危険エリアで実施されるミッションに挑み食料などを獲得する本格サバイバルツア~?」


「ね~おもしろそ~でしょ? ゾンビのヒトもかなりほんかくてきにえんぎするからすっごくこわいってヒョ~バンなんだよっ!」


「ふ~ん……でも……」


「ん?」


「ウチがもし錯乱したらゾンビ役の命がアブナイかも?」

 と、言いつつ背中に担がれた絹布に包まれた和弓に視線を送りサラリを怖い事を言う。


「ダイジョブ!」


「ゆみならおとがしないからほかのゾンビにきづかれない!!」

 と、全力で間違ったフォロ~をいれるイブキだった。

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