はいてく。
いつものバス停にて――
「おぉ! こ、これは――あたらしいジダイがきちゃったかも!!」
イブキがテクノロジ~系ニュ~スを読みながら、そんな感嘆を洩らす。
「どったの?」
月夜がグルメ系ニュ~スで『ペヤングついに再販!』という記事を読んでいたのを中断する。
「月夜! 月夜!! これみて、これ――」
そういうイブキの大型スマホを受け取り、画面を見る月夜。
「『VR体験がよりアルに! 匂い、風、熱、ミストを発生させるマイク内蔵型マスク』? なにこれ?」
月夜がそのプラスチック製のマスクの画像を見ながら、
「いまよみあげたと~りだよ! そのマスクつけてると、ゲ~ムやエ~ガみてるときにニオイとかするよ~になんだって! すごいでしょ! スゴイよね?」
イブキが興奮しながらグイグイ詰め寄ってくる!
「いや……すごいケド……このマスク着けて、さらにヘッドマウントディスプレーつけたら完全にSFの住人だよ」
「それがイイんじゃん! これでFPSとかしたらセンジョ〜のリンジョ〜カンとかすっごいよっ!」
「臨場感⁉︎ 臨場感ね……うん! イイカモシレナイ」
努めて無表情をつくりながらカタカタとロボ的な動きでそう言う月夜。
彼女がなんの使用するかは月夜の名誉のために内緒にしておきます。
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