てれびからこんにちわ。

 いつものバス停にて――


「う〜……」

イブキが自分の前髪をつまみ上げって唸っている。


「どしたの? 枝毛?」


「うん? そろそろきりにいこ〜かな〜っておもって」

そういって顔の半分までくる長さになった前髪をうっとしそうに撥ね上げる。


「ぜんぜん長くないじゃん」


「そりゃ〜月夜にくらべたらね〜……」


「長いほ〜がモテるのに、ほら――」

そういって『男性の7割はロングヘアの女性が好き』というコラムを見せる。


「う〜ん……でも……」

珍しくモテ情報でも渋い表情のままのイブキ。


「イブキさんね〜ロングヘアにあわないからなぁ〜」


「長い時あったの?」


「JCのときね〜サダコっぽいよ〜」


「本人の思いこみだって、ほら有名な人気漫画のヒロインもそ〜だったじゃん」


「ゲ〜ムにムチュ〜で、ていれおこたったクロカミほどこわいモノないよ。カガミみてじぶんでおどろくぐらいなんだもん」


「そ、そうなんだ……」

心霊的なモノ苦手な月夜が少し顔を顰める。


「うん。もし、またのばすよ〜なコトがあったら、月夜のへやにあるテレビからでてきてあげる」


「そ、そんな事したら……全力で泣くぞっ!」

その光景をイメージしたのか少し涙目でそう抗議する月夜だった。

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