もも。
いつものバス停にて――
「そういえば――」
イブキがふと何かを思い出したように呟く。
「ん?」
「そういえば、キョ~ってひなまつりだね」
「あぁ――そういえば」
女の子のイベントのハズなのに妙に他人事のように言う二人。
「月夜んちはニンギョ~とかかざんの?」
「ウチ? ウチは毎年飾ってたけど高校生になってからはやってないかな~」
「そうなんだ」
「もともとは大人の女性も参加するイベントだったから、別に飾ってもいいんだけど……片づけるのメンドウだしぃ~……」
「あぁ~……テイネ~にあつかえわないとダメだしネ。でも、そっか、そっか。月夜んトコはなんもやってないんだ~」
「あっ! 白酒飲んで雛アラレ食べて、菱餅も食べてるよ」
「……たべものケ~はキッチリやんだネ」
少しあきれぎみに呟くイブキだった。
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