りゅ~こ~

 いつものバス停にて――


「アメブロでさ――」

「ん?」

 イブキがスマホ画面を見ながら話しかけてくる。

「ティ~ンズがことしハヤったコトやモノゴトのランキングがあったんだけど……」

「ふむふむ」

「ぜんぜんわかんないや」

「ちょっと見せて」

 月夜がイブキから大型のスマホを受け取ると、

「10位の『半顔メイク』はわかるよね?」

「アシュラだんしゃくみたいなやつだよね? びよ~こ~かわかりやすくするためにハンブンだけメイクして、はんぶんはスッピンのままの」

「そそ。じゃ9位の『顎クイ』はわかる?」

「なんとなく……イケメンにアゴくいってやられて、じぶんほうむかせるやつ?」

「うん。まあ、イケメン限定じゃないけどだいたい合ってる。8位の『自撮り棒』は?」

「まったくわかんない」

「デジカメやスマホを先っぽに取り付けて、自分撮りや撮影役でハブられないようにする物だよ、いいのになると手元でシャッタ~押させたりする棒もあるし、価格もだいたい1000円以下から3000円までだから、ある便利みたいなアイテム」

「なんでそんなコトしってんの? 月夜」

「夏休みの合宿の時に持ってきてた子がいたの」

「な~んだ月夜がひとりでニヤニヤしながらジガドリしてたワケじゃないんだ」

「うっ!」

「ん? ど~したの?」

「な、なんでもないわよ、あははははははは――。で、次は?」

「LINEかしどっきり」

「あ~」

「わかんの?」

「うん。いいなって想ってる男子にラブソングの歌詞を一行づつ送って遠回しに告白する事だよ。一行づつ刻んで送っていくから、最初は告白されたとドキっってするからこういう風に言うだってさ」

「なるほど」

「『スク~ルラブ』や『双子コ~デ』はわかるよね?」

「なんとなく……コ~ナイレンアイと、なかよしでおそろいのかっこうするコトだよね?」

「4位の『テラスハウス』はたぶんお終わちゃったテレビ番組のことかな? 3位の『TSUMTSUM』はディズニ~キャラのヌイグミ。2位の『妖怪ウォッチ』は知ってるでしょ?」

「ハヤってるしね」

「1位の『壁ドン!』は前にイブキから言ってきたし」

「うん。アレだよね。となりにすんでるヒトがうるさいときにカベなぐってコ~ギするコトだよね」

「それは――うん、そう。なんかもうそれでいいや」

 メンドくなった月夜は最後にブン投げた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る