秋だけどこわ~い話し。

 いつものバス停にて――


「おんなのヒトがキセ~をあげながらセンロにとびこむもデンシャをとめてかくにんしたところ、なんのコンセキもなく。デンシャにソンガイもないとのコト」

 イブキがスマホに映された記事を読み上げながら、

「お~! すっごいふしぎなジケンだね。ウンシュさんだけじゃなくて、フクス~のモクゲキシャがいるってトコもポイントたかいよね?」

 疑問形で月夜に振ってみるが、月夜はよほど気になる記事があるのか自身のスマホから目を離さない――気のせいか少し聞こえないフリをしているようにも見える。

「やっぱり、どっかのマンションのイッシツにとじこめられて、まっくりなタマからセ~ジンとたたかえとかいわれてんのかな?」

 再び月夜にふってみるイブキ――しかし、月夜はなんの変化も――いや、少しイブキに背を向けぎみで距離を開けたような気がする。

「そ・れ・と・も――」

 イブキが月夜に近づき、耳元で――

「ここでなくなった「わ~わ~わ~わ~わ~」かな?」

 耳元でささやくイブキの声を月夜が遮った。

「こ――」

 振り返った月夜は瞳に涙をためながら、

「こわいはなしダメ! ぜったいっ!!」

 と言い放った。

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