にゃんもないと。

 いつものバス停にて――


「月夜、月夜」

「ん~?」

 二人並んでバスを待ってる間、暇つぶしにスマホを操作をしていた中、イブキがなにかを見つけたようだ。

「これ、みてよ、コレ」

「なこれ!?」

 イブキのスマホ画面に映っていやモノは――猫が丸まって寝ている姿。

「命名『ニャンモナイト』あぁ~確かにこの丸まった姿はアンモナイトにそっくりね」

「ワンモナイトもあるよ」

 そういって画面を横にスライドさせると次の画像が映しだされ、そこにはクリ~ム色の毛並みをした犬がさきほどの猫と同じように丸まっていた。

「ウチはこんな記事みつけたよ」

 そういって月夜が見つけた記事をイブキにみせる。

「スイスでネコのひとりっこセ~サク?」

「スイスでは国民810万にたいして猫が150万近くいるんだってさ~」

「すっご!! ネコさんオ~コクなんだ!!! いってみたいなスイス。月夜もいっしょにいこ~ネ」

「……いや」

 月夜は顔に陰をつけると――

「ウチがいくとスイスの猫が150万から0になるから……」

 自身の動物に嫌われる体質を自嘲したのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る