ぞ~ぜい。

いつものバス停――ではなく近くにあるコンビニ。


「そういえば、いつの間にか消費税上がちゃったね」

 コンビニにあるプライスカードを見ながら月夜が呟いた。

「そうだね~イブキさん達はあんまし大きな買い物しないから影響ないけど……毎回地味に小銭が増えてくよね~」

「だね~。月のお菓子代に直撃だよ~おかーさんんいお小遣いのベースアップ頼んでみようかな?」

「お~! 交渉の余地ありなの?」

「テスト次第かな~」

 レジに並び会計を済ませ店を出る二人。

「あ!」

「ん?」

 月夜が突然立ち止まった。

「どうひたの?」

 イブキがブリックパックの野菜ジュースを飲みながら応じる。

「飲み物買い忘れちゃった」

「あそこに自販機あるよ」

 飲んでいたジュースから口を離し――噛みグセがあるのかストローの先が平たくなっていた。

「えっと……ペットボトルだから150円っと――アレ?」

 硬貨をいれても反応しない自販機。

「月夜、月夜160円だよ」

「あ! 上がったんだ。ってゆーかなんで自販機は10円ごとに値上がっていくのよ!」

「1円や5円じゃ軽すぎて識別できないからじゃない?」

「甘い! 甘いよイブキ! 日本の技術力なら1円でも5円でも識別できる自販機が作れるハズだよ!」

「もっと有意義なことに使うべきじゃない?」

「こーいう小さいトコから日本を良くしてしていかないと庶民の――幼気なJKの10円を守ることで明日の日本がよくなる」

「オーゲサだな。月夜は」

「決めたっ! ウチ自販機職人になるっ!」

「自販機職人ってなに? いーから早く買っていこうよバス行っちゃうよ~」


 増税後のあるJK二人の会話でした。

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