救世王女と聖剣の鞘

プロローグ

木漏れ日が差し込む洞窟。

古代の遺跡。

延々と変わることのない石室。

ひび割れた天井から差し込む光が、埃っぽい室内に美しいカーテンを描く。

が、流石にこう毎日見てると飽きてくるな……。

予言の時ってまだ始まらねぇの?

早く来てよね。

ひま。

ひまひま。

ひまひまひま。

ひまひまひまひま。

ひまひまひまherem日甘いはあ位牌あでゃそうい!

はぁ、ひま。

本当、マジで早く世界滅んでくれないかな………………。




帝国歴4073年。この年、予言は成就し、世界は崩壊へと向かう。

予言に書かれた英雄は未だ、その時が近づいていることに気づいていない。




レグリカ王国の王家には代々伝わる聖剣とそれにまつわる伝説が存在する。

いずれきたる終末の時、王家の血を引くものがこの剣を選定の台座から引き抜き、世界を救うだろう。

そして今、世界は第四紀の終焉を迎え、緩やかに滅びへ向かっていた。


大陸各地では魔物が増加し、王国の統治体制には亀裂が生じていた。

そんな中、今年で16歳になる第三王女、アイリスは政略結婚のために大嫌いな幼馴染の納める領地へと向かっていた。

しかし、その道中、アイリスは魔物に襲われてしまう。

近くの遺跡に逃げ込んだアイリスが、そこで見つけたのは伝説の聖剣、ではなくその鞘だった。




主人公。

意思を持つ鞘

マジック効果(いかなる攻撃を受けても傷一つつかない)


ヒロイン

王女アイリス

伝説の王家の血を継ぐ者、なのかもしれないが、聖剣のありかは不明。




そして、おしゃべりで物知りな鞘と、勇気ある美しい王女の世界を救う、前段階の聖剣を探す旅が始まった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る