花の名前を冠した美しいタイトルとは裏腹にどこかおどろおどろしい雰囲気です。
紫陽花の様に美しくも、色が変化するように豹変する人妻・真亜子が今後どのような行動に出るのか、非常に楽しみです。
【追記】
読了しました。
予想だに付かない展開。
複数いる交代人格をうまく使い分け、各々に役割が与えられています。どの個性も隠れないように作中に上手く取り上げられていると思います。
多重人格をテーマにした作品で思い出されるのは、貴志祐介氏の『ISOLA―十三番目の人格(ペルソナ)』がありますが、文章の長さの差こそあれど、緻密な設定は勝るとも劣らない内容だと思います。
できれば長編小説で読みたいなと思うほどの、クオリティーの高さです。
余談ですが、かくいう私の作品にも多重人格の登場人物がいますが、ここまでしっかりストーリーに絡ませられなかったと思い、忸怩たる思いです。