第0話〜黒猫屋へようこそ〜
0-1黒猫屋へようこそ(1)
とある街の寂れた雑貨屋。
黒猫屋。
そこの女店主は、祖母からこの雑貨屋を引き継いだ。
年は18と、この春高校を卒業したばかりだ。
彼女が幼い頃、祖母は毎日のように彼女に言い聞かせてた言葉がある。
「ちーちゃん、何があっても人だけは呪ってはいけないよ。黒猫さんに食べられちゃうからね」
黒猫さん……それは彼女の家に住み着く祖母と、彼女だけに視える尾が2つに分かれた黒猫である。
共働きで家にあまり居ない両親の代わりに祖母が彼女を育ててきた。
黒猫さんは幼い彼女にとっては興味の湧くものだった。
祖母と彼女だけの秘密。
優しかった祖母は彼女が高校を卒業すると雑貨屋を彼女に引き継がせた。
「ちーちゃん、ごめんね。おばあちゃんを許して。黒猫さん、ちーちゃんを頼みましたよ」
にっこりと笑い、祖母は旅に出た。
齢80を超える祖母が旅に出たのだ。
彼女は祖母が守ってきた黒猫屋の秘密を引き継いだ。
口うるさい、化け猫、黒猫さんも一緒に。
「現代人はすぐ呪いたがる」
彼女の口癖は、黒猫さんの口癖が移ったものだ。
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