「に」
憎んだり
恨んだり
そんな人生
淋しいなぁ
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おばちゃんのまわりにはたくさんの色んな方々がいらっしゃいました。
その中で、ご自身の「不幸な身の上」を楽しんでいるかのような、「不幸自慢」を得意げに話される方がいました。
自分の悲劇のヒロイン加減に酔っているような…と言った方がわかりやすいかもしれません。
話を聞いてもらいたい、なんとかしたいと口では言い、さめざめと泣かれるのですが、いろいろなアドバイスに対して、「だって…でも…」を繰り返し、なにひとつクリアしようとはなさりませんでした。
「この憎しみ、恨みは消えることはありません!」
と言い残し、結局、おばちゃんの元を去られました。
おばちゃんは、つぶやくように、しみじみと言わはりました。
「憎んだり、恨んだり…しんどいやろなぁ…気の毒なお方やなぁ…淋しい人生やなぁ…」
憎んだり恨んだりという心の元は何だったのか、わたしたち他人が、うかがい知ることはできません。
もしかしたら、それは、ほんの些細なこと…ボタンの掛け違い、あるいは勘違いが始まりだったかもしれません。
始まりは小さなことでも、こじらせてしまうと根強く根深くなって修復が難しくなってしまいますね。
憎んだり恨んだりという「負」のエネルギーのダメージは相当なものがあります。
心と身体に、常に「負荷」のかかる、重い重い荷物を背負って歩いているのと同じですから。
かつて。
わたしにも、そういう相手がいました。
憎みましたし恨みもしました。
・・・が。
そう思う時の自分の顔を鏡で見た時、ゾッとしました。
眉間に深い縦皺が刻まれ、瞳が澱み、顔が歪んでいたんです。
せっかくの人生です。
嫌な人の事を憎んで恨んで、大事な自分の人生を暗い気持ちで過ごすなんて、もったいないと思いませんか?
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