ランランを買っておうちに帰ろう

 私は最近、日一日と、〝就活生〟となっていくようである。ブログも、書籍も、就活がテーマのものばかり読んでいる。そしてつまんないインターンシップや、つまんない自己PRをしているのに、どういうわけか、大企業に就職を決めた一握りの勝ち組といわれる元就活生たちを意識して嫉妬している……。

 そう、つまりあなたと全く同じことばかりしている。

 ところで、今回私がこういったエッセイを書くことになったのは、ひがむ一方の負け組就活生だからである。だいたい、就活生が書く文書(特にネットに出回っている)とか、フェイスブックに本音が書かれていたことがあるだろうか。

「今朝は、早く起きて、カフェで朝食をとりながら読書、某企業のOB訪問で非常にためになる話を聞いて、みなさんに感謝!」式のああいうもんに、はたして真実はあっただろうか。面接で失敗したてどうした、とかいろいろ書かれているけれど、なにをどうやってもやたら意識が高い。

 就活生たちは、ツイッターのなかではやたら世界を救って輝かしい未来を手に入れているけれど、文章を書くことにおいては、ニートって感じ。

 なにをこわがっているのだろう。

 なにをおそれているんだろう。

 一人の学生がもっているものなんてタカがしれているじゃにか、と私はいいたい。

 ヒガミ、ネタミ、ソネミ、この三つを就活生たちは絶対に表にだそうとしないけれど、それがそんなにカッコ悪いもんかよ、エ?

 とにかく私は言葉の冒険者になって、いままでの意識高く輝かしい就活生の本音(笑)をぶっ壊しちゃおうと決心をかためちゃったのである。

 ものすごい悪役令嬢になりそうだけど、ま、いいや。どうせはかない学生生活、大輪の花、いや線香花火となって果てましょう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る