第36話 復讐編 2 補習
悪いことを企んでいるときは楽しいものです。
肉体改造などをしているせいで脳内麻薬的なものをダバダバ出しているときは特に。
筋トレは楽しいものです。
正確に言うと筋トレそのものはただ苦痛なだけです。
ですが自分の体を使った人体実験はとてつもなく楽しいのです。
もともと壊れかけた体です。
がんがん人体実験していきます。
ふははははははははは!!!
私は調子こいてました。
完全に調子こいてました。
どのくらい調子こいていたかというと、フィットネス器具をいくつも買って片っ端から壊したくらいです。
特に腹筋周りの器具はいくつも買いました。
1000円~2000円くらいですから。
腹に押し当てるやつはゴムがすぐにダメになってキレてしまうのですぐに捨てました。
他の器具もほぼ全てが強度不足ですぐ壊れて粗大ゴミに。
最終的にダンベルとチューブゴム、C●C、それにブ●ワーカーだけになりました。
お前ふざけてんのか?
いえいえいえいえいえいえ。
これが素晴らしいんです。
全く壊れません。
おまけにただウェイトを増やすだけならベストアイテムなのです。
腕力増やすだけならこれほどいい道具もないのです。
そのころ私の体重は三桁の大台に乗りました。
……嘘つきました。
100㎏よりは大分多くなりました。
(卒業後一年で70キロまで減らします)
ただしフルコンの胴回し回転蹴りとか、中国武術の旋風脚はできました。(カッコイイ動きってしてみたいじゃないですか!)
いわゆる高速デブというやつです。
その運動性能と引き替えに見た目は常時モザイクがかかるほどのグロメンです。
体も相撲取りみたいな体型でした。
考えたら死にたくなるので考えません。
人間って限界を超えることができるのね……複数の意味で。
ちなみにこの時の血液検査はシャレになりません。
ほんと良く生きてたなって数値です。
麻薬もやってないのに十代でここまで体を壊すことができるってのは我ながら凄いと思います。
って筋トレ話はどうでもいいですね。
そのころ私は不当にも学校に呼び出されて休んでいた間の勉強をダイジェストでやらされてました。
時間的な問題で職員室登校です。
特に私の苦手な電気中心です。
※情報技術科は電気は必修科目。
私は一年生の時に配線を間違えてオシロスコープを爆発させてから電気科目が苦手なのです。
「パーンッ!」ですよ!
ちなみにこのとき担任に「お前は電気の才能ないよなあ……」と言われたのも軽くトラウマです。
ですが座学は苦手というわけでもありません。
だって簡単ですもの。
ただ実習が嫌いなのです。
でも卒業のために駆け足でこなしていかなくてはなりません。
特に電子の実習が苦痛です。
超細いリード線を剥いて半田付けして回路作って、Z80(だったと思う)載せて、EPROMにハンドアセンブルしたプログラムをROMライターで書込んで……めんどくせええええええええええええええ!!!
※ハンドアセンブル
書いたプログラムを表を見て機械語に直す作業。
超面倒くさい。
PIC使えこのボケがああああああああッ!!!
※知らない人には全く伝わりません。簡単に言うと『とても面倒』という意味です。
さらにソフトウェア実習が面倒なのです。
M先生という某大学の准教授寸前までいった偉い先生なのですが、そのドブを煮詰めたような性格のせいで問題を起こして大学を追い出された素晴らしい人格者です。
もうね、舌打ちしまくりです。
後ろで舌打ちされながらCOBOLとFortranです。
当時でもすでに時代遅れというか就職に関係ないスキルだったのに意味もなくやらされます。(ただ単に予算がなくこれしかできなかった説もあります)
さらにこの先生ですが、文化祭の時に私が友人に借りたDTMの機械をマイコン部の展示に持ってきたのを未だに根に持ってます。
頼まれて機械を借りてきてやったのです。
そのついでにナパームデスを流しただけじゃないですか!
※ナパームデス
デスメタルと思われてるけど実はグラインドコアでパンク系。
普通の人に聞かせたら『なにこの雑音?』と言われた。
藤原の聞いてる音楽の中では歌詞に希望がある。
というわけでひたすら舌打ちされながらプログラムを書いてます。
あー……ツマンネ。
UNIXの実習の方はできるの教師に知られているので省略です。
データベースなどもできるのを教師に知られているので省略です。
苦痛です……苦痛すぎます……
その点、ハードウェアは楽でした。
ハードウェアは完全に座学です。
というかDOS/Vパーツの勉強です。
習うまでもありません。
省略省略。
省略ばかりですね。
でも気になることもあります。
「先生、体育は? 私一回も出てませんよ?」
「それは話がついている」
なんの話か知りませんが、座学は完璧です。
まあ死ぬような病気なので大丈夫だったのでしょう。
日頃の行いが良いってステキですね。
さてさてそんな事で違法スレスレの運用でサクサクッと単位を取得すると私の卒業が決まっていったのです。
◇
冬休みが終わると受験です。
私は何を血迷ったか芸術系大学を受験しました。
たぶんストレスで頭がおかしかったのです。
芸術関係の予備校?
行ってませんがなにか?
受験する直前に決めたくらい行き当たりばったりですがなにか?
芸術系大学の人から見れば「ふざけんな死ね」って話です。
……たぶんストレスで頭がおかしかったのです。
それもかなり。
なにせ復讐を本気で考えて実行する精神状態です。
普通ではなかったのです。
さらには外側を鍛えまくった体も中身はボロボロです。
二年くらい後にシャレにならないほど肝臓が悪くなるほどボロボロでした。
ボロボロというよりズタボロでした。
この状況でまともな判断をしろって方が無茶です。
当然のように落ちました。
やったー!
一年無駄にしたね!
見てください!
ゴミが泣いてますよ!
なんの努力もしてないくせに高望みばかりするゴミが泣いてますよ!
ねえねえどんな気持ち?
ねえどんな気持ち?
楽しい?
嬉しい?
泣いちゃう?
ねえ泣いちゃう?
うわああああああああああああああん!
※クズは永遠に生長しません。
私はドラ●もんの存在しない世界のの●太くんのように泣いていました。
クズですね。
というわけで今回は激しい絶望感で終わりました。
一番楽しい復讐ですが次回になります。
次回、『卒業式』。
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