27話

何をしようかな〜


メニューを見ながら考える


んー!どれも美味しそう!


やっぱチーズバーガーかなー


アイスも食べたいな〜


「次の方どうぞー」


レジのお姉さんに呼ばれる


「チーズバーガーと」ブーブーブーブー

「バニラアイス」と言おうとした時

誰かから電話がかかってきた


「あ、すみません!優希先に注文していいよ!」


後ろに並んでいた優希にそう言って

走ってトイレに行く


画面を見ると[お兄ちゃん]という文字

通話ボタンを押して電話にでる


「もしもし?いきなりなんなの?」


「ヤバイんだって!家に泥棒が!!」


「は!?」


お兄ちゃんはそうとう焦ってるらしく


早口でそう言った


「落ち着いてよ。詳しく説明して」


「さっき大学から帰ってきたら、家ん中荒らされてて!これは絶対泥棒でしょう!」


「警察には?言ったの?」

私がそう聞くと

「まだ…」

と小さく言った


「私に電話する前に警察にしてよ!」


「だって警察呼ぶほどでも無いかなーと思って。それに今親いねーし」


まー確かに警察沙汰になればお母さんはアメリカから帰ってくることにはなるよね


「てか怖いから早く帰ってきて!!」


「はー?なに言ってんの?男でしょー?」


「だってまた来たらどーすんの!俺殺されるよ!?いいのか!?愛する兄が殺されても!」


はぁー

こーゆーところ嫌いだわ

面倒くさいなー


「別に愛してません」


それだけ言って電話を切る


「ほんと面倒くさいなー」


トレイから戻るともうみんな食べ始めてた


私はチーズバーガーとバニラアイスを買って席に行く


「りか何してたのー?」

麻里が不思議そうに聞いてきた


「ちょっと、お兄ちゃんから電話がきてさ」


私がそう言うと陽平くんが食いつく


「りかちゃんお兄ちゃんいるの!?」


「うん」

アイスを食べながら答える


「どんな人どんな人!?」


身を乗り出して聴いてくる


「イケメンだよ!」

麻里がドヤ顔で答える


「まじで!?会いて〜!」


「陸だよ。奈々瀬 陸」


悠人くんが陽平くんにお兄ちゃんの名前を言った瞬間、陽平くんが固まる


「まじ…?」


すごく小さい声で悠人くんに聞いた


「うん」

ポテトを食べながらそう答える


「そういえば、りかちゃんの名字奈々瀬だもんね」


快くんがそう言うと

陽平くんが私の顔をジーッとみる


「なになになに」


食べかけのチーズバーガーで顔を隠す


「似てない…」


似てない?お兄ちゃんと私?

確かに似てるって言われたことは無いけど

特に気にしたこと無かったな〜


「みんな、ユリのお兄ちゃんと知り合いな感じ〜?」


みぃこがそう言うと

優希も麻里もそれ聞きたかったです!

って目をして首を縦にふる


「俺らの先輩」


「ちなみに元サッカー部だよ」


と悠人くんと快くんが言った


その後ずっと固まっていま陽平くんが

お兄ちゃんについて喋りだした


陽平くんの話によると

お兄ちゃんは顧問の先生よりも考えるメニューがヤバイらしくて

お兄ちゃんの練習メニューをやった日は夜ご飯が食べられなくなるらしい


さらに陽平と付き合う子は大抵お兄ちゃんを好きになって別れを告げられるらしい


そして、その陽平くんの元カノ達を堂々とに振っていく


その場面を何度も見て

何度も心が折れたらしい


お兄ちゃんは陽平くんの中で苦手な先輩ランキング1位


おまけに会いたく無いランキングも1位だとか


陽平くんにも苦手な人が居るなんてちょっと驚いた

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