18話


リビングに行くとまだお兄ちゃんがテレビを見ていた


机には私の食べかけのプリンが置きっぱなしだった…


「お兄ちゃん!蒸し器ってある?あとお金ちょーだい」


「蒸し器?確かそこの棚に入ってたよ。金?いいけどなんで?」


キッチンの白い棚の一番下を指差しながらそう言った


「ありがと!あのね、海行くんだけど水着買いたいの」


「海?いーねー!1万でいいー?」

といいながら財布から1万円を出す


「うん!ありがと!」

差し出された1万円を受け取ってキッチンに行く


「蒸し器…」


白棚の一番下を開けると鍋やらミキサーやらいっぱい入ってた


これ全部出すのー?面倒くさいなー


ガサガサ


手前の物を出していくと奥に蒸し器が見えた


蒸し器を取り出して、出したものを片付ける


スマホでプリンの簡単レシピを開いて材料を冷蔵庫から取り出す


「意外といけそう」

レシピを見る限りそんな難しそうでも無いし


エプロンを付けて作り始める


順調に進んでいって後は蒸すだけ

蒸し器の説明書どうりに準備をして


プリンの液体が入った器を蒸し器に並べていく


あとは待つだけ


蒸してる間にカラメルソースを作ろう


グラニュー糖と水を用意する

フライパンにグラニュー糖と水を入れてコトコト煮る


だんだん色がついてきて

いい香りがしてきた


そろそろ止めていいかなって思っているとあっという間に濃くなって少し焦げた匂いがしてきた


「やば!」

急いで火を止めた


少しなめてみると

やっぱりちょっと苦い


「あー失敗した」


まー、カラメルソースだし

もう一回作るか


フライパンを洗って

もう一度挑戦する


今度は色が付いてきたらすぐに火を止めた

余熱で温めてるといい感じの色になってくれた


味見してみる

「んー!いい感じ!」


カラメルソースを器に移す


あとはプリンが出来るのを待つだけ


料理って意外と楽しい!

初めて作るお菓子がプリンってすごくない!?と心の中で自画自賛していると

セットしておいたタイマーがなった


タイマーを止めて蒸し器からプリンを取り出す


見た目はいい感じ


カラメルソースを上にかけて冷蔵庫に入れる


全部で6個出来た


ご機嫌でお兄ちゃんの隣に座る


「プリン作ったのか?」


「うん!」


するとちょっとにやけて「俺のため?」と聞いてきたから

「洗い物よろしくね〜」と言ってお兄ちゃんの肩に手を置く


「しゃーないなー」

と言いながらキッチンへ行って洗い物をしてくれるお兄ちゃん


やっぱお兄ちゃんって使える

なんて心の中で思った

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