やるべきことは、たったの3つ! ――「超ズボラ勉強法」の3要素



 さて、それでは今回は、「超ズボラ勉強法」ではいったい何をやればいいのかについて説明したいと思います。

 実は、「超ズボラ勉強法」では皆さんがやるべきことはたった3つしかありません。その3つとは、以下に述べる3点です。今後この3つを「3要素」と呼ぶことにします。


1 学習者の学力・学習状況に合った適切な教材を選択する

2 学習における無駄な時間を極力省く

3 問題の正誤を記録し、最低3回繰り返す


 さて、これを見た皆さんは、こんなことを思われたのではないでしょうか。「どの勉強法にも書いてあることばかりだ」「当たり前のことばかりじゃないか」「そんなことはわかっている」「そのくらい、もうとっくにやっている」などなど……。

 おっしゃる通り、この3要素は字面だけを見ればどんな勉強法でも取り上げられていますし、どれも当たり前の内容でしかありません。

 ですが、断言します。「わかっている」、「やっている」というのはほぼ間違いなくその人の思いこみに過ぎません。学習者の90%以上は、「超ズボラ勉強法」において上の3要素が意味している内容を理解できてもいなければ、それを実行することもできていません。


 少し補足したいと思います。

 まず、上の3要素を理解・実行できていないとはどういうことか。ここでは「3回繰り返す」を例にとってみましょう。


 ある中学3年生が「自分は連立方程式の問題を3回繰り返したがわからない」と言ったとします。その3回はいつやったのか聞いたところ、その生徒は「最初は2年生の授業で、次は定期試験直前、3回目はつい先日です」と答えました。さて、この受験生は問題を3回繰り返したと言っていいでしょうか。

 実際に同じ問題を3回解いているのですから、「3回繰り返した」と言えないことはないのかもしれません。ですが、「超ズボラ勉強法」においてはそんなものは繰り返しとは認められません。

 詳しくは後ほど説明しますが、たった3つしかないがゆえに、「超ズボラ勉強法」では上の3要素の意味・実行方法が厳密に定められています。これにしたがわず、自分の解釈で3要素を理解・実行したとしても残念ながらほとんど効果を上げることはないでしょう。


 もう一つ、なぜほとんどの人間が上の3要素を理解・実行できていないと断言できるのかということですが、これは簡単です。なぜなら、3要素を「超ズボラ勉強法」にしたがって正しく理解・実行できているのであれば、その人は成績優秀であるに決まっているからです。「自分はちゃんと理解し、やれているが成績が伸びない」という人は、3要素を「超ズボラ勉強法」に沿う形で理解・実行できていないのです。


 目安として数値をあげますと、3要素を「超ズボラ勉強法」に沿う形で理解・実行できている人間が一般的な模試で偏差値65を下回ることはほぼありえません(もちろん、その模試の母集団のレベルによっては変わってきますが)。

 偏差値65以上というのはその集団の上位数%を意味しますので、それを裏返せば偏差値65以下は全体の90%以上ということになります。


 ちなみに、東大・国立医学部等難関大出身者数十名に話を聞いたところ、「1 学習者の学力・学習状況に合った適切な教材を選択する」と「3 問題の正誤を記録し、最低3回繰り返す」についてはほぼすべての方がこの「超ズボラ勉強法」の基本理念に沿う形で学習を実行していました。

 彼らに「超ズボラ勉強法」の説明をすると、特に2番の「学習中の無駄な時間を極力省く」という点については「そうか、そこはそうしていれば完璧だった」と感心してくれます。勉強ができる人というのは、だいたい皆似たようなことをやっているし、似たようなことを考えるわけですね。



 繰り返しますが、「超ズボラ勉強法」の核となる3要素は、大抵の勉強法で取り上げられているものばかりです。ですが、正確な理解を伴わないまま闇雲にこれらを実行しても、残念ながら成果をあげることはほぼ確実にできません。


 それはなぜなのか。理由は簡単です。多くの勉強法では3要素を取り上げ、大抵の場合その機能・役割まで説明してくれます。ですが、肝心の実行方法について詳しく説明されていないのです。


 先ほど例に挙げた「最低3回繰り返す」という部分だけを見ても、その3回の間隔はどのくらい空ける、あるいは空けずにおくべきなのか、1回目はどのように取り組むべきなのか、2回目、3回目はどうなのか、3回繰り返した後はどうするべきか、などなど、説明しなければならないことは驚くほどたくさんあります。

 当然、そのそれぞれについて「1回目と2回目の間隔がこのくらいである理由は……」「1回目にこのように取り組む理由は……」といった具合に、そのようにすべき根拠や理由もあるはずです。あるはずなのですが、実際にそこまで詳細に説明されている勉強法には、なかなかお目にかかれないのです。

 もちろん、「まずはこの参考書・問題集がおすすめ!」とか「3回繰り返す具体的な方法」などをある程度詳しく説明した本もあるにはあるのですが、残念ながら3要素すべてについて詳細な説明や実施方法が書かれている勉強法はほぼ皆無と言っていいでしょう。


 じゃあ、いったいどうすればいいんだ!

 はい、そこでこの「超ズボラ勉強法」の出番です。

「超ズボラ勉強法」とは、いわゆる「勉強ができる人」なら誰でもやっている、そして絶対にやらなければいけない成績を上げるための3つの要素について、どんな凡人でも実行可能な形にまで徹底的にかみ砕いた、最短・最速かつ最も簡単な勉強法なのです。


 タイトルでは「たった3つ!」などと書きましたが、「3回繰り返す」の例からもおわかりの通り、実際には3要素のそれぞれを詳しく説明していくと相当な文章量になります。どの勉強法にも書かれている3要素とは、本当はどのように行うべきものなのか。それを第三章で徹底的に解説していきます。

 3要素の具体的な実行方法について本書ほど詳しく解説している勉強法はおそらくいまだ存在していません。あなたは今、東大・国立医学部出身者などの「勉強ができる人」が当たり前のようにやっていることを、手軽に無料で身につけることができるチャンスを目の当たりにしているのです。どうか最後まで本書を熟読し、あなたも「勉強ができる人」の仲間入りをはたしてください。


 次回から、いよいよケーススタディに入ります。まずは「勉強が苦手な人」の問題点を洗い出し、その後「勉強ができる人」のエッセンスである「超ズボラ勉強法」の具体的な方法について説明していきます。どうぞお楽しみに。



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