第148話 文系再編特集感想
「現代思想2015年11月号文系再編特集」のアマゾンレビューに書いたことの写しと追記である。
文系再編特集である。
読んでいて感じたのだが、もう文学部は白旗を掲げている。
文系再編に対して論じられる文章の中で、役に立つ文系の学問として出てきたのは複式簿記だけである。
ドイツ大陸哲学やインド哲学、朝鮮古代史、トルコ文学史などは当事国に任せ、日本は日本の文化を研究しようという方針のようだ。
文学部、社会学部、心理学部はあまり役に立たない学問であることは文系学者は認めているようである。
大学自治権とかは声高に訴えても、文系学部のここが素晴らしいという言説はない。
「屍を乗り越えて進む非常勤」入江公康はなかなかよかった。
それによれば、立教大の文系非常勤講師の年収は二百万円くらいだそうだ。
まあ、人工知能に代替される過渡期において資産家や経営者が雇用を守らず保身に走った結果といえよう。
文系再編に対するボーダーフリー大学、いわゆるFランク大学についての記述であったが、
どこをどう読んでも、ボーダーフリー大学は存続すべきだなどとは書いてない。
つぶれてもやむなしとしか読めない。
引用する。
「やりたい勉強は特にありません」「興味のあることは別にないです」
「自分が何をやりたいかはまだわかりません」と発言する学生がどんどん多くなっている。
文学部(毎年十万人いる)、社会学部、心理学部の勉強は何の役にも立たないとしか書いてない。
引用する。「 来るべき人文科学は、国際社会の中で国民として認知を求めるための主体的な技術ではありません。」
それによると、文系再編はイギリス、フランスでも同じ動きがあるらしい。
具体的には、哲学科の縮小である。
明確に、「稼げるのは理系」であり、文系ではないと述べられている。
いやあ、文系再編はしかたないことだし、がんがん推進すべきだね。
ただ、過渡期には混乱に対して慎重な対応が必要だろう。
以上。
アメブロに「文学部不要論」について書いている記事があったので読んだが、実際の文学部卒業者の意見では文学部はボロクソいわれてるね。文学部国文学科だが。東大文学部でも就職率は50%を切ってるとか。それだけのムダだというダメ押しだね、こりゃ。
まあ、文学部不要論なんて、説明すれば全員賛成するよ。小説より漫画が読みたいんだよ。これで全部。世界最先端の漫画立国である日本が守るべき日本文化は漫画なんだよ。漫画の人気に勝てる小説家なんて一人もいないよ。
おれがなんで小説ばっかり読んでると思うんだよ。みんなが漫画読むからだよ。おれは他人のやらないことをやらないと価値がないと思って、小説の総括というものを目指して小説を読んでるのだ。だから、最近の漫画に疎くなったのは残念だが、まあ後悔はない。漫画も小説も読んだうえで、文学部不要論賛成。
ミステリもSFも研究対象外の文学部がこの百年間の日本文化を研究で来たと思ってるのか。ぜんぜんできてないよ。権威ある古典にしがみついてよりそって、最後の大柱である村上春樹によりかかり延命しているだけ。村上春樹ですら今では時代遅れといわれかねないだろう。「ノルウェイの森」より優れた小説も、官能小説から探せばあるんじゃないのか? その確認すら、文学部はやってないだろ。
まあ、「官能小説用語表現辞典」ってのはちくま文庫から出てたけど。2005年~2010年くらいの官能小説の表現を全部網羅していた。まだ読んでないけど。研究はしているみたい。
文学部はちゃんと「万葉集検索」サイトも作ったし、徒然草や枕草子などの無料公開もしているだろう。仏典の全公開も、大蔵経に関しては行われている。南伝経典の方は少し、ネット公開が遅れているようだが。
もう、文学部は一度ぶっ壊して、再構築するしかない。
再構築された文学部ではプラトンやシャーロック・ホームズは残ると思ってるし、シェイクスピアもさすがにハムレットやロミオとジュリエットくらいは残るだろう。だが、英古典なんて、読む価値あるのか?
もちろん、文学部が最終的に目指すのは、全文献をデータベース化したものの解説だ。それをするのは今の人工知能研究ではできないが、なぜ人工知能研究でできないかといえば、それは文学部がそれだけ非論理的だからだ。
文学部の何がいけないって、権威主義なところですよ。
立花隆が文学部不要論を論破するっていってるんで、「文學界12月号」を買った。読んだら、追記としてまた感想書く。
旧態依然とした文学部は一度ぶっ壊して再構築しなければならない。
追記。
はい。「文學界2015年12月号」の「文学部不要論を論破する」の記事を読みました。
これは、検閲でも入ったんでしょうかね。全然、誰一人として論破してません。
文学部および人文科学に対する擁護の有効な意見はないです。
なんか、鉛筆の話をしていたり、東大の設立の歴史について話をしていたりしました。
立花隆が中学校の時、中学校図書室の本を全部読破したことが書いてありましたけど、何にも、文学部のここが素晴らしいとかこれが必要だとかいう言説はありませんでした。
やはり、文学部はすでに白旗を掲げているようです。
「2041年大学未来記」も、これは星新一賞に応募する原稿のボツ原稿か何かでしょうか、マイナンバー制の始まりが強調されており、大学も文学部は必修ですらない一単位に縮小されているという未来でした。まあ、完全敗北を認めているといってもいいでしょう。
この記事はわざわざ買って読む必要はないでしょう。
追追記。
文系再編が予想以上に順調なので、理系再編を視野に入れるべきかと思うが、
さすがにおれではどう理系を再編するのかの判断は無理。
だが、当初の予定は文系再編の後には理系再編だ。
過渡期のため、文系の高校生が理転するとか起きているようだが、
あくまでも過渡期ゆえに混乱することは受け入れなければならない。
文系再編の次は理系再編だ。そして、技術者の支援を行う。
理系高専をむしろ大学より支援するかもしれない。
過渡期ゆえにまだどうなるかはわからないが、文系再編は、「いつも外国の物真似だと批判される日本において、日本が世界に先立って行う改革である」。よく考えていこう。
年が明けたら、文系再編に合わせた受験がさっそく始まる。
今から五年間で教育を大改革する。がんばるぞ。
ちょっと想像だけで、語るとだ。理系のがもともと難しくて頭よかったわけで、それを社会の評価として定着させるのが第一の目標であるが、第二の目標は、そこまで勉強が好きではない子供たちでも技術者になれるための賢い教科書の整理整頓である。
文系再編で、文系の募集人数が減ったからって、中高生が急に優秀になって技術者になれるなんてことはないわけである。そのため、これがわかればこれはできるという理系の教科書の整理整頓が理系再編だ。
一般相対性理論が技術者として求められている勉強だとは聞いていない。難しいだけで役に立たない勉強は補足にまわすという作業が必要だ。
それを指して、ぼくは理系再編といっているのである。
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