第62話 人生の墓場

妹「めでたくねー!」

後輩「はっはっは。羨ましかろう羨ましかろう」

妹「ぐぬぬぬ〜!」

後輩「あ、妹ちゃんにお土産あるんだった。はいこれ、黒ごまプリン。美味しそうでしょ?」

妹「……まあ、貰えるのなら貰っておくけれど」

後輩「色合いがお墓みたいだよね」

妹「……墓……破瓜ってか! ふざけんなー!」ガーッ

後輩「はっはっはっはっはっは」

妹「ふんだ、調子乗っちゃって! いいもんねー、私だってお兄ちゃんが居ない間、とんでもない発見をしちゃったんだから」

後輩「発見?」

妹「結婚ってあるじゃない」

後輩「結婚って……まあ、あるね。私と先輩が将来するやつね」

妹「しゃーらっぷ! ……で、結婚っていうのは赤の他人が家族になるための儀式なわけよ」

後輩「うん」

妹「つまり! 私は産まれながらにして、既にお兄ちゃんと結婚しているも同義!」

後輩「なん……だと……」

妹「はーっはっはっは! どうだ絶望したかー! こちとら結婚生活十ウン年目!」

後輩「妹ちゃんの誕生日が同時に結婚記念日ということか……! くっ!」

男「なに馬鹿なこと言ってんの……お茶入ったよ」

妹「あ、ダーリン!」

男「勘弁して。やめて」

後輩「先輩……私、愛人でも大歓迎ですから……っ!」ウルウル

男「後輩ちゃんも悪ノリしないで。妹ちゃんすぐ調子乗っちゃうから……二人が仲良くしてくれたら僕はとっても嬉しいんだけどなぁ」

妹「……むう。じゃー百歩譲渡して一夫多妻制。私もお兄ちゃんと結婚したい」

後輩「いや、一夫二妻制にしよう。私たち以外はいらない」

男「……両手に花だなぁ。男冥利に尽きるよ……」

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【SS】後輩との後日談 おしゃれ泥棒 @scarecrow-hage

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