望まぬ人事異動 078
78 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守
あはぢしま かよふちどりの なくこえに いくよねざめぬ すまのせきもり
【カテゴリ】冬
【タグ】男性 貴族 平安後期 金葉集
【超訳】知っていますか?
何回目を覚ましたと思いますか? 淡路島から飛んでくる千鳥の悲しい鳴き声に。どれだけ寂しい思いをしているかわかっていますか?
【詠み人】
詳しい経歴は不明。
【決まり字】あはぢ(3)
【雑感】須磨というと現在の神戸市須磨区周辺のことです。当時は京の都から遠く離れた寂しい田舎であり、軽い罪人の流刑地だったそうです。「源氏物語」でも光源氏が己の罪に向き合うために自らこの須磨の地に身を置く時期があります。
うら寂しい田舎の風景に、飛んでくる鳥の鳴き声まで哀しく聞こえてしまう。罪人でなく、関所の番人という仕事とはいえ、それはつらいことだったのでしょうね。望まぬ人事異動といったところでしょうか。しかも恐らく単身赴任。会社のため、家族のため、お疲れ様です。どうもありがとうございます。
でもね、かの光源氏はここでも見つけちゃうのですよ。素敵なカノジョを。まぁ、2次元の物語だから大目にみますけどね。ここで出会うのが明石の御方です。反省しに行ったんでしょうよ。罪をおかしてしまったことを。愛してはいけなかった人を愛してしまったことを。都には紫の上という愛する人も置いてきているでしょうが。
華やかな都とは距離も雰囲気もかけ離れた土地で寂しくなっちゃったの? だからってよろしくないでしょうよ。どんなに
……、ホントに困ったもんだ。光源氏にも寂しい光景にも。
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