マズルブレーキについて

 今回はマズルブレーキについて解説します。

 拳銃では『コンペンセイター』とも呼ばれ、銃口部分に装着し、形状は穴が開いた円筒もしくは箱型のような形状のものが多いです。バレット社の対物ライフル、M82A1のものが特徴的で分かりやすいでしょうかね。

 また、現在の銃、主にライフルではフラッシュサプレッサーがマズルブレーキの機能も兼ねている場合も多いです。

 フラッシュサプレッサーの記事で解説したM4のフラッシュサプレッサーもそうですね。

 ちなみに、マズルブレーキは銃に限った物ではなく、戦車や大口径の砲などでも装着されることもあります。


 マズルブレーキは、発射時に生じる燃焼ガスを銃口とは別の部分から噴出させ、反動を抑えて銃の跳ね上がりを抑制する効果があります。

 これも物によって様々で、横にガスを逃がして銃が左右にぶれるのを抑制するものや、上にガスを噴出させて銃口の跳ね上がりを抑えたりするものがあります。

 

 最初に言った、コンペンセイターは主に競技用の拳銃などで装備されているのですが、これは拳銃であれば何でも、というわけでもなく、サプレッサーと同じで取り付けには銃側にもそれ用の加工が必要で、フレーム側もしくは銃口に固定して使用します。

 拳銃の場合はコンペンセイターの重量自体がかなりある為、それだけでも銃口の跳ね上がりを抑えることが出来ますが、重量が増え全長が長くなるなど欠点ももちろんあります。


 また、競技用の拳銃では他にも、マグナポートと呼ばれるマズルブレーキやコンペンセイターと似たものがあり、最初に作った会社の商品名がそのまま通称として広まっているようですね。

 こちらは、銃身に穴をあけ、コンペンセイターなどを付けずに銃身そのものにその効果を与えるものですが、銃身を加工するので弾道が不安定になったりガスを出しすぎて弾丸が飛ばなくなったりといった欠陥が生まれる場合もあります。

 しっかりと作られていればその辺の問題も解消できますが、工作精度の要求される加工ですね。

 それに、ガスを銃身から逃がすので、銃身を覆うスライド部分にも銃身から出たガスを放出するため、同じ位置に穴を空ける必要があります。


 基本的にコンペンセイターやマグナポートは競技用の拳銃かもしくは連射可能なマシンピストルで用いられます。

 重量が増えたり穴がある分、塵や泥などが入りやすくなり携行性や耐久性にも欠けてしまうので軍用で使うには少し不便だからです。


 でも大口径の拳銃などでは、コンペンセイターがあるかないかで大分反動が変わるようですね。それくらい重要な部品でもあります。

 また、サプレッサーもガスの分散や重量が増えるなどの影響で、減音消炎だけでなくちょっとしたマズルブレーキと同じような効果を発揮する場合があります。

 


 これでマズルブレーキの解説を終わります。

 

 

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