春はあけぼの

「えと、あの、お母さんが間違えて作っちゃって、勿体無いから持ってけって。」

『あちゃーしまったー!黙っとけばよかったかな。』春海は自分のうっかり発言を後悔した。


「アハハハ。優しいママさんだね。」

夏樹が手を叩いて喜ぶ。


「お弁当役に立って良かったね、春海。」

真冬が春海に笑いかける。


「四人ともお母さんに感謝しなきゃ!」

千秋が大袈裟に十字を切って祈りを捧げる。流石、元クリスチャン学校の生徒だけある。


「うん、お母さんに後で花見の写メ送ってあげようっと!」

みんなが温かく受け止めてくれてよかった。春海は、弁当を持たせてくれた母親に内心感謝した。そして、朝は文句タラタラだったことを謝っておくことも忘れなかった。


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