春はあけぼの
春はあけぼの。早春の光を華奢な身体に浴びながら、御厨春海(16)は一心不乱に走っていた。
わーんお母さんのバカバカーっ!
なんで初日から寝坊すんのよー!何がお弁当頑張って作ってたからよ。入学式は半ドンなんだから、お弁当なんて必要ないっつーの!!初っ端から先生達に目をつけられちゃうじゃないのよォ!モォーーッ!!
春海は半ば叫びながら、食パンを片手にもう片方で新品の皮鞄をぐるぐる振り回しつつ、駅へと向かう坂道を一気に駆け下りていった。
自分の朝寝坊は棚に上げてよく言ったものだが、まあ無理もない。昔から春海は遠足や運動会の前の日は、興奮してなかなか寝つけない少女だったのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます