6.波音の子守唄-1

 固く抱きしめあったまま、むくろとなった〈ムスカ〉――『彼』と『彼女』。

 ミンウェイは、ふたりのそばに膝をつき、ぺたんと座り込んだ。

 潤む瞳で、彼らを見つめる。

 どこにも外傷はないのに、白蝋のような肌からは、完全に生気が失われていた。今にも、かさりと音を立てて崩れ落ちそうなもろさを感じる。命の重みが抜け落ちてしまったからだ。

 けれど。

 ふたりは幸せそうに微笑んでいた……。

「…………」

 ミンウェイの首がうなだれ、緩やかに波打つ黒髪が肩を流れた。白いうなじが、あらわになると同時に、顔が隠れる。

 うつむいた姿勢のまま、彼女は紅の落ちかけた唇を歪め、こらえるように拳を震わせた。

 この天空の間での出来ごとは、本当に現実だったのだろうか。

 夢か、あるいは幻だったのではないだろうか。

 真っ白で豪奢な部屋は、ミンウェイの知らない別世界。まるで異次元に紛れ込んでしまったかのよう……。

「ミンウェイ」

 魅惑の低音が、彼女を呼んだ。〈ムスカ〉にそっくりであるが、彼ではない。彼はもう、この世の人ではないのだから。

「リュイセン……」

 相手の名前を間違わずに言えたのは、今のミンウェイとしては上出来だった。

 彼女が振り返ると、リュイセンは口を開きかけ、しかし沈黙した。きっと、何を言ったらよいのか分からなかったのだろう。ミンウェイだって、リュイセンの立場だったら困ってしまうに違いない。

「ありがとう、リュイセン」

 ミンウェイは固く目を閉じ、はみ出してきた涙を拭った。強引に呼吸を整え、あでやかな笑顔で上を向く。

「あなたのお陰で、お父様……『彼』の最期は、安らかだった。――奇跡だわ」

〈悪魔〉ではなく、誇り高き鷹刀一族の者として死を迎えた。

『〈ムスカ〉』でも『ヘイシャオ』でもなく、『彼』として、『彼女』と共に旅立った。

 すべて、リュイセンが『彼』を思いやってくれたからこそだ。

「本当に、『最高の終幕フィナーレ』だった……!」

 ――そう。

 舞台の幕は下ろされた。

 だから、父に――父の心を伝えてくれた『彼』に、別れを告げる。冥福を祈る。『彼女』との『永遠』に祝福を贈る。

 ミンウェイは、自分の心を奮い立たせるように胸を押さえると、すっと立ち上がった。波打つ黒髪が華やかに広がり、鮮やかな緋色の衣服が強気に煌めく。

「ミンウェイ、無理するな……」

 遠慮がちなリュイセンの声を「ありがとう」と遮った。彼の気遣いは嬉しいけれど、このままでは駄目なのだ。

 生きている者は、いつまでも同じところに留まっていてはいけない。

 次の行動へと、ひとつ先の未来へと向かわなければならない。

「リュイセン。あなたとルイフォンが『彼女』を迎えに行っている間に、『彼』は、あとのことを言い遺していったの。……エルファン伯父様、お願いいたします」

 この先は、ミンウェイが仕切るべきことではないだろう。だから、彼女は軽く会釈をして、最年長であり、次期総帥であるエルファンに指揮を頼んだ。

 今まで黙って見守っていたエルファンが、氷の美貌をふわりと溶かす。だが、すぐにいつもの無表情に戻り、玲瓏たる声を響かせた。

「全員、聞け。――ここは『敵地』だ」

 そのひとことで、皆の顔つきが変わる。

「ヘイシャオは、私兵たちに『夕方になったら、この庭園を出るように』と命じたそうだ。つまり、それまでの数時間、私たちが『ライシェン』を連れて行くか否かを議論するための猶予をくれたわけだ。だが、ここが長居すべき場所ではないことは明白だ」

 暗に即断を求めたエルファンに、ルイフォンが「ああ」という鋭いテノールで応じる。彼はメイシアと視線を交わすと、明朗な声で告げた。

「『ライシェン』は連れて行く。――このまま、ここに置いていけば、いずれ摂政の手に渡り、摂政の駒になるのが分かりきっているからだ」

 そこで一度、彼は言葉を切り、目をとがらせた険しい表情を見せる。

「正直なところ、俺たちは『ライシェン』を持て余すことになるだろう。何故なら、『ライシェン』を連れて行くということは、俺たちが彼の未来を預かった、ということに他ならない。俺たちには、責任が重すぎるからだ」

 彼本来の端正な顔立ちを見せての、冷静な物言い。その目元は精悍でありながらも、苦悩が眉間の皺となって表れていて、普段の彼自身よりも、どことなくエルファンに似ていた。

ムスカ〉に言われた『処分』のひとことが、重く、のしかかっているのだ。

 ルイフォンは唇を噛み締め、メイシアを見つめる。凛とした眼差しの戦乙女が、彼を肯定するように強く頷いた。

「だが、ここまで巻き込まれた以上、俺たちは、セレイエの『デヴァイン・シンフォニア計画プログラム』を最後まで見届けたい。だから、計画の中核を担う『ライシェン』を、ここに残していくことは考えられない」

 静かな弁舌はそこまでだった。

 ルイフォンは、急にかっと目を見開き、「けど!」と声を張り上げた。

「この選択は、俺たちが、セレイエの『デヴァイン・シンフォニア計画プログラム』を叶えてやる、という意味じゃねぇ!」

 苦しげな、切なげな顔で、傍らのメイシアを抱き寄せた。不意のことに、メイシアが小さな悲鳴を上げるが、ルイフォンは構わずに言葉を続ける。

「『デヴァイン・シンフォニア計画プログラム』は、セレイエの我儘だ。この計画のせいで、メイシアは親父さんを失い、シュアンも先輩を亡くした。……でも、ふたりを不幸に陥れた元凶の〈ムスカ〉だって、被害者だった」

 メイシアを抱きしめたまま、亡骸となった〈ムスカ〉に視線を向け、ルイフォンは黙祷を捧げる。

 憎かった。恨んでいた。最後まで、決して許したわけではなかった。

 それでも今、彼が満ち足りた顔をしていることに祝意を表する。――横顔が、そう告げていた。

 そしてルイフォンは、敢然とした表情で皆に向き直る。

「〈ムスカ〉が言っていた通り、『ライシェン』は争乱の種にしかならない。彼を連れて行くという選択は、どう考えても、この先、皆に迷惑を掛けることになるだろう。――すまない。でも、認めてほしい」

 ルイフォンとメイシアはそろって立ち上がり、深々とこうべを垂れた。

 天空の間が、水を打ったように静まり返る。

 おそらく、この場にいた誰もが、『ライシェン』は連れて行くことになると考えていただろう。――だが、それは、あくまでも漠然とした予測だった。

 対して、ルイフォンとメイシアは明確な意志を示し、あまつさえ、頭まで下げた。故に、その行動は意外であり、驚きだったのだ。

 ミンウェイは自分の心が、ちくりと痛んだのを感じた。

 原因は分かっている。ずっと年下のルイフォンたちが眩しすぎて、自分が惨めになったのだ。

 でも、だからこそ、ふたりを応援せねばと思う。

「私は勿論、認めるわよ!」

 沈黙を破り、ミンウェイは強気に言い放った。

「〈神の御子〉なんて、とんでもないものを押しつけられたのに、なし崩しじゃなくて、ちゃんと考えて決められるなんて、あなたたち偉いわよ。そんな姿を見せつけられちゃったら、褒めるしかないでしょ!」

 声が震えたり、裏返ったりはしなかっただろうかと不安になりながらも、ミンウェイは華やかに笑う。

 すると、彼女につられたように、リュイセンが「当たり前だろう」と声を上げ、エルファンとシュアンも次々に同意した。

 ルイフォンの顔がほころび、「ありがとう」と告げる。それにかぶるように、エルファンが「ここを出る準備をするぞ」と号令を掛けた。

「ルイフォン、お前が持ち込んだ爆発物は、確か、遠隔操作ができたな?」

「あ、ああ?」

 それがどうした? と、ルイフォンは首をかしげる。

 エルファンが言っている爆発物とは、〈ムスカ〉が皆をこの庭園に招待するにあたり、『どんな武器を持ち込んでもよい』と言ったために、ルイフォンが用意したものだ。

「それを地下に仕掛けて、あとで研究室を爆破してくれ」

「なるほど。『ライシェン』を連れて行くから、摂政に対する撹乱工作というわけだな」

 ぽん、と手を打ったルイフォンに、エルファンは「そんなところだ」と一応は肯定し、しかし、まるで違う理由を付け足した。

「何をしたところで、いずれ摂政にはバレるだろうから、嫌がらせ程度のことだ。だが、ヘイシャオの研究室は禁じられた技術の宝庫だろうし、何より、あいつがいた場所を好き勝手に荒らされたくはないだろう?」

 淡々とした口調のまま、エルファンの眼差しがミンウェイへと向けられる。そこで初めて、ミンウェイは、今の台詞の最後は自分に向けられたものだと気づいた。

「ヘイシャオと『彼女』も連れて行く。オリジナルたちの墓の隣に埋めてやろう」

「伯父様……」

 ミンウェイは、再び潤みそうになった瞳をぐっと見開き、なんとかこらえた。

 本当は、『〈ムスカ〉の死体』が、爆破された研究室から発見されたほうが、摂政への対処としては正しい判断のはずだ。なのに、エルファンは、そうしないと言う。

「……私のために……ありがとうございます」

「お前だけのためではない。私にとっても、大切な者たちだからだ」

 エルファンは相変わらずの無表情だったが、ミンウェイには、ふたりの新たなる門出を祝い、晴れやかに笑っているように感じられた。



 ルイフォンが地下研究室へと向かい、エルファンが屋敷で待っているイーレオに報告を入れる。メイシアは展望塔に残っているタオロン父娘への連絡だ。

 残った者たちのうち、男手であるリュイセンとシュアンが率先して、〈ムスカ〉と『彼女』の亡骸を車に運ぶべく、相談を始めた。決して仲の良くないふたりだが、意味もなく、いがみ合ったりしないあたり、互いに道理をわきまえているらしい。

 ストレッチャーなら、ふたり一緒のまま連れて行けるとか、車に同乗することになるファンルゥを驚かせないためには、布で包んで隠すべきだとか、リュイセンが優しい気遣いをしてくれる。だからミンウェイは、この部屋のカーテンを外して覆えばよいと提案し、三人で作業に掛かった。

 その途中で、ミンウェイはメイシアに呼ばれた。

「あの、タオロンさんが『ここを発つ前に、どうしても、ミンウェイさんに娘の部屋を見てほしい』――だそうです」

「え?」

 いったい、どういうことなのだろう。わけが分からない。

 ミンウェイが首をかしげている間に、小さな女の子を肩車した大男が、天空の間に現れた。

 わずかに息が乱れているので、ここまで走ってきたらしい。エルファンが迅速な行動を求めたからかと思ったが、肩の上できゃっきゃと喜んでいる女の子の様子を見ると、どうやら彼女の笑顔のためのようだった。

 彼がタオロンなのだろう。

 よく陽に焼けた浅黒い肌に、意思の強そうな目。刈り上げた短髪と額の間に赤いバンダナがきつく巻かれている。聞いていた通りの容貌なのだが、ミンウェイが想像していた以上に童顔だった。そのため、ふたりは父娘というよりも、年の離れた兄妹に見えた。

「パパ、このお部屋、凄ぉい……」

 くりっとした丸い目を更に丸くして、娘のファンルゥがシャンデリアに手を伸ばす。高い天井から吊り下げられたそれに届くわけもないのだが、燦然と輝くきらきらに、彼女の瞳もきらきらしていた。

 しかし残念ながら、父親のタオロンには娘と感動を共有する余裕はないようだった。ミンウェイを前に太い眉を寄せ、落ち着きなく視線を揺らす。その先に、白いカーテンで覆われた亡骸なきがらがあることに気づき、ミンウェイは察した。〈ムスカ〉が亡くなったことを知らされ、〈ムスカ〉の娘であるミンウェイになんと言ったらよいのか迷っているのだ。

 なので、ミンウェイは自分から一歩、前に出た。

「斑目タオロン氏ですね。はじめまして、鷹刀ミンウェイです。この度は、リュイセンが大変お世話になったと聞きました。どうもありがとうございます」

「いや、俺は、そんなんじゃねぇ……。そもそも、リュイセンが捕まっちまったのは、俺のせいだ。俺のほうこそ、鷹刀の連中には助けてもらって……」

 言葉遣いは粗野だが、ぼそぼそとした物言いに、かえって好感が持てた。本当に裏表のない、猪突猛進でまっすぐな人柄なのだろう。

 しかし、この調子では、なかなか話が進みそうもない。それは少し困る。ここに長居はできないのだから。――そう思ったとき、彼の頭上にいるファンルゥが「あー!」と大声を出した。

「女神様だぁ! 綺麗!」

 じっとミンウェイを見つめ、ファンルゥが満面の笑顔を浮かべる。

「え?」

「メイシアがお姫様で、お姉ちゃんが女神様なの! ――ねぇ、パパ。女神様のお姉ちゃんに、ファンルゥのお部屋を見せてあげるんでしょ? 早く行こう!」

 ファンルゥは、タオロンの肩の上で足をばたばたとさせる。

 それは、いったい、どういう意味なのか。ミンウェイが戸惑っていると、そばで見守っていたメイシアが、そっと耳打ちをしてくれた。

 曰く。

「ファンルゥちゃんは、綺麗なミンウェイさんをひと目で気に入ったんです。だから、これから一緒に部屋に行くのが楽しみなんだと思います」

 そして、肩車のファンルゥに先導され、なんだかよく分からないままに、ミンウェイは天空の間をあとにしたのだった。



 部屋を出ていくミンウェイの後ろ姿を、リュイセンは黙って見送った。しかし、彼女の気配が完全に消えると、低い声で「緋扇」と、シュアンを呼んだ。

 リュイセンの黄金比の美貌は、彫像のように凍りついていた。その形相に、シュアンは尋常ならざるものを感じ、三白眼をすっと細める。

「あの小さな嬢ちゃんの部屋に、何があるんだ?」

「…………」

 シュアンの問いに、リュイセンは押し黙った。口元の動きから、奥歯を噛んだのが分かる。どうにも煮え切らない態度に、シュアンは焦れて言葉を重ねた。

「ミンウェイが気になるんだろう? だったら、お前も行ってこい。遺体なら、俺ひとりで運べるからよ」

 仕方ねぇな、と言わんばかりの口調だが、彼らの関係を考えれば、驚くほど友好的な態度だった。不和の間柄とはいえ、今回、〈ムスカ〉の心を動かし、ミンウェイとの温かな対面を実現させたリュイセンのことは、シュアンも評価しているのだ。

「緋扇……、お前が、ミンウェイのあとを追ってくれ」

「……は?」

 シュアンは、ぽかんと口を開け、間抜け面で呆けた。大きく見開かれた瞳が、彼の特徴であるはずの三白眼を放棄している。

 深刻な顔つきのリュイセンに対し、あんまりな反応であるが、この場合はどう考えても、シュアンのほうが正当だろう。しかし、リュイセンの次の台詞は、更に脈絡というものをまるで無視していた。

「俺は、お前が嫌いだ」

 唐突なリュイセンの暴言に、そんなことは百も承知のシュアンでも、思わず「はぁっ!?」と声を荒らげずにはいられない。

「大嫌いだ」

「ああ、そうかよ。俺も、あんたが嫌いだ。気が合うな」

 内心では、かなりリュイセンを見直していたシュアンなのだが、それをすべて御破算にして投げやりに答える。そのまま、ぷいと横を向いた彼に、しかし、リュイセンは畳み掛けた。

「俺は、お前の、如何いかにも分かったふうで、耳に心地よくて、適当な言い草が大嫌いだ」

「……だから、なんだよ?」

「――けど!」

 険悪な凶相で睨みつけてきたシュアンを、リュイセンは語勢で跳ねのける。

「今のミンウェイには、お前の胡散臭くて、無責任な言葉が必要だ。……だから、ミンウェイのあとを追ってくれ」

「……は?」

 リュイセンの発言が先ほどのものに戻り、シュアンの反応もまた、もとに戻る。

「お前が、ミンウェイに、ヘイシャオと会うことを強く勧めてくれたから、この幕引きとなった。……シュアン、ありがとう。感謝している」

「リュイセン? あんた、さっきから、いったい、どうしたんだよ? ――だいたい、この結末は、あんたが〈ムスカ〉を改心させたからこそだろう? あんたの手柄じゃねぇか。大手柄だろう?」

 何を言いたいのか、まったく理解できないと、シュアンは悪相を歪める。だが、リュイセンは視線を落とし、首を振った。肩までの髪が、何かを払いのけるかのように、さらさらと揺れる。

「確かに、俺はヘイシャオの気持ちを変えたかもしれない。けど、ミンウェイを動かしたのは、お前なんだ」

「そりゃあ、この庭園から出られなかったあんたは、ミンウェイとは接触のしようがなくて、代わりに俺が、たまたま彼女のそばにいた、というだけだろう? ――それより、〈ムスカ〉の野郎をどうにかするほうが、比べようもなく困難だったはずだ。あんたは、よくやったよ」

 シュアンは、やれやれと溜め息をついた。どうやら、青臭い義理堅さがリュイセンを不安定にしているのだろうと、結論づけたのだ。

 そんなシュアンに、リュイセンはむっと鼻に皺を寄せながらも、硬い声で告げる。

「俺は、ヘイシャオからミンウェイを遠ざけようとばかりしていた。それが、ミンウェイのためだと思ったからだ。――だが、お前は、俺とは正反対のことをした。何度も、何度も、ミンウェイにヘイシャオと向き合うように言ってくれたんだと、ルイフォンから聞いた。……今の状況があるのは、お前の手柄だ」

「おいおい、リュイセン。そんなに堅苦しく考えることはないだろう?」

 シュアンは、自論に酔っているリュイセンに弱り、ぼさぼさ頭をがりがりと掻く。普段が普段であるだけに、どうにも妙な調子だった。

 けれど、リュイセンは止まらない。

「本当は、お前なんかに頼みたくなどない。……でも、今のミンウェイには、お前の言葉が必要だ」

 リュイセンは血を吐くように告げ……、頭を下げた。

「!?」

 シュアンの三白眼が極限まで見開かれる。

「ファンルゥの部屋は、ここから二階分下がった、この建物の一番端だ」

「……分かった」

 そのひとことだけを残し、シュアンは部屋を出ていった。



 シュアンの姿が消えると、リュイセンは肩を落とし、小さな呟きを漏らす。

「仕方ねぇだろう……。俺の前じゃ、ミンウェイは無理に笑おうとするんだからよ……」

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