第39話 好きを語るな?
お偉いコンサルの先生の本に、好きを容易に語るなという記述があった。
特定の何かを好きだと公言することは、それ以外のものを否定しているように見えるからだと。さもないと優秀なビジネスパーソンになれませんよという文脈だったと思う。
一理あるが、エッセイで書くことがなくなる。
村上龍だって昔、
「サッカーが好きです。でも外国のサッカーの方がもっとちゅきです」
と、書いてたじゃないか。
西原理恵子だってほぼほぼ主観に拠ってるし、三浦しをんなんてほぼ
オタクなんだが。
つまり、優秀なビジネスパーソンはエッセイを書かないということか。佐藤優氏の本でも読んで地頭力を鍛えててくれ。解散。
優秀なビジネスパーソンってそもそも何ぞ? 英語ぺらぺらでちゅか? 水害もなんとかしてくだちゃい。
話を戻すが、好きを公言することはリスクを伴うという点についてはコンサル先生に同意である。古市みたいに誰の味方でもありませんという小器用なリスクヘッジは難しい。
たとえば、ロックバンドのニルヴァーナが好きだとする。それを表明した瞬間、ニルヴァーナのファンからの視線、アンチの視線、それ以外の視線が如実に現れる。実際に存在するかはともかくそれを無視する事が出来るだろうか。
立場を表明した瞬間、あなたは戦わなければならない。大げさかもしれないが、石を投げられる可能性は十分あるのだから。
それでも、蕎麦が好きな人間は蕎麦をすするのを止めないだろうし、サウナから水風呂のコンボを止められない人もいるだろう。
黙して語らずを貫けという訳ではない。こうして簡単に個人を表現出来る時代だからこそ、注意が必要だと私は思う。
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