何でもない短編集

鹿江路傍

F小学校の実験

 F小学校の児童たちが、明日の理科の実験について話し合っていた。


「明日は解剖の実験だぜ」

「やだなあ。気持ち悪いよ」

「でも、イキモノの体を理解するには必要だろ?」

「ちょっと面白そうだよな」

「うええ。男子だけでやってもらえないかなあ」

「今時こんなことやってる学校なんて、他にないんじゃない?」


 F小学校の理科の授業では、その残酷性や手間がかかることから最近では敬遠されがちな、解剖の授業が残っているのだ。





 サラリーマンのA氏が夜道を歩いていると、ふと周囲が急に明るくなった。空を見上げてみると、大きな円盤型の飛行物体が、A氏の真上を浮遊している。A氏に向かって、眩しいばかりの光が照射された。



 次にA氏が気がついた時、彼は手術台の上にいた。四肢は拘束されていて動きそうにない。


 A氏はどうにかして首を回し、自身が置かれている状況を確認しようとする。


 メスを持った宇宙人が手術台を取り囲んでいるのを見て、絶望した。

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