風
朝が来て、夏めいた (爽やかなのは、作り物の風の方)
干すともう一度着れるのだが、悪くすれば燻製
出会ったら一番にかける言葉 (聞かせにくい話は後に回してしまって)
振り返れば、こちらに投げ込まれた発言たち、長々と眠らされ、何度も咀嚼される目に遭う (知っている、世の中にはもっと風通しのいいやり方がある)
昔たとえてみた、悲しみは水だと (新しく、美しく、たやすく流れ去る そう感じたままを)
悲しみは得がたい、そして悲しみでなくとも、心の動きは多いほどいい (悲しみだけを持ち上げるかのようだが、そういった価値観はしていない、自覚している範囲では)
観念の話はしかし、聞く側としてはなかなか要領を得ない (他人の見た夢の話そのものだ)
昨日もいつかもあったようだ、馬鹿にするとか、馬鹿にしているとか、馬鹿にしたとか (違うんだよ とは、言うのだけれども 違わない人がいる以上、違わせることもできない)
会話という営みは、欲する人たちの間で取り引きされるべきで、もしかすると自分は、鳴き声を発している (それもあながち 仕事である関係において、耳をそばだてずとも鳴き真似をされているし)
(負けじと鳴き真似をし返していて、相手にそれを聞く機会はない 意地悪ではこっちがうわてだろう)
鳴き声というのも、明らかに不備のあるたとえだ (なぜといって、鳥獣も会話ぐらいはするんだろうから そして、ちゃんとした人の、ちゃんと往来する言葉でさえも、鳥獣からすれば鳴き声になってしまうだろうから)
何より自分は、ものすごく堪えた事などない いつだって考えやすくしてしまおうとするから (つまりは、物と物とを結びつける事により、たとえる事により 無いよりはあっていいかもしれない、だがそればかり考えていては、まともに考える事ができない)
通りではほら ゴミ箱が走る 出してしまおうか
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