第1話-②

そんな感じで時間は過ぎ、翌日葬式が執り行われた。親戚はたくさん来たが、たいていは、


「零士くん、心からお悔やみ申し上げるよ。ジョウは本当によくできた奴だったよ。」


と、多少なりとも言葉に差はあれどもだいたいそのようなことを言っていた気がする。

丈というのは僕の父の呼び名。本名は白沢丈之助シラサワジョウノスケというなんだか古臭い響きのある名前だ。


僕の家は元々父子家庭である。母は僕を産むときに亡くなったのだそうだ。つまり父親が亡くなって、僕には保護者がいなくなったというわけ。だから、父方の祖父母の家にとりあえず引き取られることとなった。


引っ越すならば、転校は必然。

新しいクラスというのは、たいていゴールデンウィーク前くらいにはある程度友達(のグループ)ができるというのが相場だ。ってことは、そのある程度固まってきている輪の中に溶け込まなければいけない。これは試練だ、人見知りな僕にはあまりにも残酷な試練だ。ただでさえ父の死で満身創痍だというのに…、まったく、悪い事というのは続けて起こるものだなぁ。

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