東郷八子と三笠の空艦少女大戦

第零話 空艦少女大戦

　戦争に、戦艦と魔法少女が、ついにやってきてしまった。

　 アレキサンダー や、シーザー や、ナポレオン が兵士達と共に 危険を分かち合い、馬で戦場を駆け巡り、国の運命を決する。

　そんなことは、もうなくなった。

　これからの英雄は、戦艦内でお淑やかで、儚げでいて、時に物憂げに、時に狂犬の姿で、戦艦に乗る空艦少女達。

　一方、何千という男達が、電話一本で、空艦少女の力によって殺され、 息の根を止められる。これから先に起こる戦争は、女性や、子供や、 一般市民全体を殺すことになるだろう。

　やがて、それぞれの国は、大規模で、限界のない、一度発動されたら、制御不可能、破壊のための空艦少女を生み出すことになる。

　人類は、始めて、自分たちを絶滅させることのできる乙女達（メイデンズ）を手に入れた。 これこそが、人類（男達）の妄執と願望のすべてが、最後に到達した運命（フェイト）である。

――エングランド空軍大臣、チャーチル