歴詩2 本能寺炎上

 you tubeで、フォト音(on)ポエムとしての紹介は次のURLです。

 http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=T5d-rhq4qQA


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『本能寺炎上』


 轟轟ごうごうと燃え盛れ 

 紅蓮ぐれんの炎


 人間じんかん 五十年

 下天げてんの内を くらぶれば


 うつけの夢を 灰と化せ 


 めらめらと燃え上がれ

 天魔の野望


 ああ 夢まぼろしのごとくなり



 時は水無月みなづき 本能寺

 ひるがえった反旗は 水色桔梗の旗印


 ドン、ドン とどろつんざ

 夜明けの種子島たねがしま



 察してはおったぞ 光秀

 それとはなしに 其方そち謀反むほん


 お主は詠んだ 愛宕百韻あたごひゃくいん

 時は今

 雨がしたしる 五月哉さつきかな


 ゆえに 猿の援護にと

 遠ざけるつもりじゃった



 光秀 お主は

 逢魔おうまが時に 亀山城を出陣


 敵は本能寺にあり と

 それはあまりにも 不意なことじゃった


 一万三千の兵を率いて 桂川を渡った

 一方 我が方の本能寺は

 手勢百で 迎え撃つことに



 捨て鉢と錯乱

 されど知謀ちぼうの 光秀の謀反


 とならば、無念ながら……

 是非に及ばず


 蘭丸 火を放て!


 我が身を 二度と世に晒すな

 肉も皮も すべてを焼きつくせ


 赤々と 狂い燃え立て 天魔の炎


 一欠片ひとかけらの骨も

 決して 光秀に渡すな


 天下布武の野望

 国を盗り 神となることだったぞ


 こんな尾張の

 おおうつけの夢 炎上し 灰となれ



 囂々ごうごうと燃え盛れ 

 紅蓮ぐれんの炎


 人間じんかん五十年

 下天げてんの内を くらぶれば


 戦国から 安土桃山へと 駆け抜けてきた

 そんな軌跡の結びは 本能寺炎上


 幼かった吉法師の夢 灰となれ



 めらめらと燃え上がれ

 天魔の野望


 一欠片ひとかけらの骨も

 決して 光秀に渡すな


 ああ、確かに 確かに

 人間じんかん 五十年


 夢まぼろしのごとくなり




少々の解説を


 本能寺の変、明智光秀はなぜ謀反を起こしたのでしょうか?

 野望説、怨恨説、黒幕説などいろいろな説があります。


 光秀は本能寺の変の前に、京都の西山の愛宕山に詣でました。

 その連歌の会、愛宕百韻あたごひゃくいんで詠いました。

 「ときは今  あめが下しる 五月かな」


 この「とき」は、光秀出身の土岐氏であり、「あめが下しる」は天下を治める意味。

 要は、いよいよ天下を治めるのは土岐氏、つまり自分だと。

 こんな決意表明をしたと言われてます。


 そして信長は、光秀が本能寺を襲った時に「是非に及ばず」という言葉を吐き、自ら火を放ちました。

 意味は「仕方がない」ということですが、どう仕方がなかったのでしょうか?


 そして、その信長の遺体は現在に至っても発見されていません。


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