NO.1
彼の名はいっしきはじめ。漢字で書くと一色一。名前からわかる通り、彼の親はとにかく一番にこだわった。
幼稚園のお遊戯会では一番の主役を演じ、小学校の徒競走では常に一番。中学校では野球部に入り背番号一番を付け、高校では水泳部に入り日本記録を樹立した。大学は日本最高峰の大学に最高成績で入学、そのまま主席で卒業した。
社会に出てからも彼の業績は目ざましかった。入社後早々に特許を取得し、昇進スピードも群を抜いている。給与も一般社員ながら社長と同等にまでなった。
ある日彼の両親から前々から病気がちだった祖母の容体が変化したとの知らせがあった。次の日、葬式場では早すぎる死を嘆く声で満たされた。
「何も自殺しなくても・・・。」
「仕方がないよ。彼は祖母よりも早く死ぬことで、存命の親族の中で一番早く死にたかったのだろう。」
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