C-000-Section-002:World View-Take It's Rise-

 リ・バースデイという現象は、世界を一度滅ぼした。

 惑星モラトリアムはその後に再生した星だと言い伝えられている。そして、この星には二つの種族が新生を成し遂げた。


 ヒト…、リ・バースデイによって滅び去った魂の残り香である精霊因子。進化の過程でヒトとしての生命を変わり、同時に精霊因子は魔法と呼ばれる力となって肉体に宿った。こうしてヒトは新世界に適合する事となった。


 魔族…、ヒトからこう呼ばれるようになったこの種族は、ヒトとは異なる精霊因子によって新生を果たす。現代ではフォビドゥンハートと呼称されているその能力によって様々な形態の翼を形成する事や、再生能力にも用いる事を可能とした。


 二つの種族は最初こそ互いを尊重しあう関係をを築いてきたが、次第に優劣に拘るようになり、いつしか双方が奏でる不協和音は戦争の旋律へと変わっていった。

 戦乱の時代に突入した惑星モラトリアムの多くの命は無益な血を流し、殺し合い、犠牲を生んでいった。そして、阿鼻叫喚の現実を直視した人々の絶望が狂気の選択を選ばせる。神聖都ノイエス・ヤールフンデルトは旧世界の兵器を模した魔導兵器を開発。魔族達に投下された。圧倒的な威力を誇ったその兵器によって大量の魔族が死に絶え、ヒトは勝利を得る。

 生き永らえた魔族は辺境の地へ追いやられ、人々は勝利に酔いしれ、双方を終戦で象った地をライヴ大地とエヴィル地下空洞と隔て、嘗て共存によって為した世界を閉ざしていった。

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