初恋の森

星を取ろうと梯子をかけて

月まで昇ったツグミは鳴いた

キキンキキンと空気が震え

口実の出来た夜更け過ぎ



時速30キロで走り抜けて

逆立ちネコはやってくる

「嘘つきはビー玉の目をしている」

それでも目を逸らしてはいけないよ



樹の上に立っているんだね

切られる前に飛び移る

倒された樹のことは

思い出せない瑠璃色模様



銀色の風がケヤキを揺らし

黄金色のメトロノーム

急ぐ必要はないけれど

心臓がわがままです

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る