二十二

七月二日は父の納骨だ、

母は駅に詳しくないので、親戚が迷わないか心配だ。

私も昨年から慌ただしく身形も揃えられなかった。

なので、スーツも新調した。

凛とした佇まいにしよう。

胸を張って、

父にありがとうと言おう。


その前にSに挨拶に行こう。


きっと向こうで、父に絡まれているに違いない。


そう思うと、なんだか少し胸のつかえが楽になった。


ナフタリンの臭いを思い出した。

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